コピー(カバー)バンドでライブハウスに出演することは合法なのか?
2018/11/24
僕は長年、主にコピーバンド界隈で音楽活動を行ってきたのですが、ずっと気になっていたのが「コピー(カバー)バンドでライブハウスに出演することは合法なのか?」という問題。
著作権が絡まる非常にデリケートな問題であり、これまで “考えないことにしよう”的な感じでちょっと遠ざけていたのですが、ちゃんと調べてみることにしました。
著作権法より
著作権法第38条第1項には以下のような記述があります。
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
※文化庁ホームページより引用 <http://www.bunka.go.jp/chosakuken/naruhodo/ref.asp>
法的に言えば、どんな名目にせよ料金を徴収していれば違法となるということです(著作権所有者が訴えた場合)。ライブハウスの場合、きっちりお客さんから料金を徴収していますし、「カバーバンド出演者大募集!」などと大々的に募集を掛けている時もあります。これはいったいどういうことなのでしょう?
実はコピーでもカバーでもライブハウスに出演できる
いきなり結論が出ちゃいましたね。。コピー(カバー)曲の演奏は著作権上問題があるのではないかと思う人も多いと思いますが、一般的なライブハウスは「日本著作権協会(JASRAC)」と楽曲使用に関する契約を結んでいるため、著作権上の問題はありません。
ライブハウス側は、通常JASRAC(ジャスラック)と音楽著作権年間使用包括契約をしているところがほとんどです。1曲演奏したらいくらではなく、年間使用料を支払えば1年間使い放題という契約ですね。
本記事執筆に当たり、僕も実際に知り合いのライブハウス経営者の方にお話しを聞いてみましたが、やはり上記のような回答を頂きました。なんだ~、長年の僕の悩みは何だったのだろうか。。
「ひょっとしたらこのライブの後にガサ入れがあって、僕(たち)は訴えられる可能性もゼロではない。そうなったらそれを黙認したライブハウス側も道連れにして・・・」などという妄想を持っていたこともありましたが、とんだ無知野郎だったのですね。。
とはいえ
以下のケースは気を付けなければいけないそうです。
コピー(カバー)曲禁止のライブハウス
これは、ライブハウス側がJASRAC(ジャスラック)との契約をしていない可能性があります。その際は、著作権料は会場代で営利を得たライブハウスに行くので演奏者には請求は行かないそうですが、「コピー(カバー)曲禁止」と提示されたら、もちろんコピー曲は避けるべきでしょう。
歌詞を一部変えてのコピー(カバー)
許諾無い改変は著作者人格権の侵害になり、賠償を求められる可能性もあるので注意です。かつて、作詞家・川内康範が作詞した楽曲「おふくろさん」の歌詞を、同曲の歌い手である歌手・森進一が勝手に改変したとして、一連の騒動になったのがその一例と言えますね。
まとめ的な
一応僕の中では結論らしきものが出たのですが、これは調べれば調べるほど “グレー”なケースも出てきて、やっぱり難しい問題というイメージは完全に拭えませんでした。
例えば高校や大学の学祭での(生徒による)バンド演奏は、入場料を徴収するものではないけれど、演奏会場(周辺)の模擬店が飲食物の販売を行っているとすると、(購入が強制であるか任意であるかにかかわらず)営利目的の演奏と考えられる可能性もあるとのことです。
とりあえずライブハウスでのコピー曲演奏は合法ということで、大手を振って演奏したいと思います。