キーボードセット分析の愉しみ
2018/11/23
僕の趣味の一つに、「プロのライブ向けキーボードシステム(セッティング)を分析すること」なんてのがあります。マニアックですか? そうですねそう思います。
別にアマチュアでもよいのだけど、大量の機材を組むプロのセッティングの方が、1~2台で完結しちゃいがちなアマチュアのセットよりも、分析の “うま味”が多いのです(笑)
プロの場合、機材選びには「(出したい音の)意図」が含まれていると思っています。その楽器をチョイスしたのはどういった理由からか? とか、思いを巡らせるのが好きなのです。もちろん音だけではなく、安定性(故障のしにくさ)、ルックスなども含めた総合的な要素でチョイスしていると思いますが。
例えば・・・
あるアーティストのライブツアーに参加するキーボーディストさんがいたとします。1ステージ20曲前後は演奏するでしょう。
ジャンルがポップス/ロックだったら、メインとなる鍵盤はピアノもしくはオルガンでしょう。それを核として、どのようなセットを組み立てるか・・・例えば以下のようなセッティングに落ち着くことが多いですね。
【鍵盤類】
・ステージピアノ…88鍵盤。デジタルシンセを兼ねている場合も多い
・デジタルシンセ…キャラクターの異なるものが2台前後
・オルガン …ハードロック系だったら2段鍵盤仕様のものが多い
・アナログシンセ…使用頻度は低いが、ここぞというソロで活躍
なお、よほど小さな会場でないとラック類の目視確認は難しいですね。
そんな感じで、大体のセッティングはある程度予想できたりするのですが、どのメーカー・機種を選んでいるかというのは、その曲のジャンルというかプレイヤーの好みにもよるわけで、千差万別なのです。
僕の場合・・・
たまに雑誌にこういったセッティングが記載されていたりするので参考にするのですが、実際生で見るライブとかは視覚・聴覚をフル動員してその場で解析したりします。
例えば、キーボードの側面の形状だけを見て機種を判別するとか。あと音色から機種を割り出すというのはなかなか難しいですね。エディットしてあったりレイヤー(重ね)してあるケースもあるわけで。
それでも、、
「このピアノはコルグっぽい。より硬いアタックにエディットしてある」
「このシンセブラスはローランドっぽい。JUPITERがベースか?」
とかは何となく分かるようになってきました。
それが何のメリットになるの?
さてここまで書いて、「そんな分析が一体どれだけ役に立つのさ?」なんてご指摘を受けるかもしれませんが、僕はそういった “行為”自体が好きなのでいいのです(笑)
だいたいプロが使う機材は高価だし、演奏者によって音の表情も変わってきます。分析したところでプロの演奏と全く同じというのは無理だし、100%を目指しているわけでもなかったりします。ただし分析の結果、自分のセットにも取り入れられることもあるので、そういった部分は大いに参考にして自分の血肉にします。
そんなわけで、僕のセッティング分析の楽しみ方、ほんの少しでもご理解頂ければこれ幸いです。