1960~80年代 KORG 【ショルダーキーボード】 楽器・機材【Vol.〇〇】
【Vol.234】KORG RK-100 ~1984年発売のコルグ製ショルダー・キーボード
2018/11/26
今回ご紹介する鍵盤楽器は、コルグさんが1984年に発売したショルダー・キーボードの「RK-100」です。当時規定されてまだ間もないMIDIを搭載しており、MIDIによってシンセサイザー等の音源をリモート・コントロールできるキーボードといったところです。RK-100自体は音源は搭載していません。
なお本機は4色のカラー展開がされており、ブラック、ホワイト、レッド、そしてウォルナット(木目調)といった感じ。ウォルナット仕様だけ80,000円で、あとは70,000円という価格設定でした。
RK-100(ブラック) ※KORGショールームにて撮影
RK-100概要
41鍵の標準スケール鍵盤を搭載したMIDIショルダー・キーボード・コントローラー。グリップ部(ネック)には豊富なコントローラーを装備し、プログラム管理から音の表情付けなど幅広く対応します。
電池駆動(ACでも可)であり汎用のMIDIケーブルによって手軽に取り回しができたため、ギタリストのようにステージ前方に出て演奏することもより気軽に行えるようになりました。
コントローラー群
ネック部分には以下の操作子が集約されています。説明できるものは簡単に説明してみましょう。
●ピッチベンド・ホイール
中央にクリックがあり、手前に回すとピッチ・アップ、奥に回すとピッチ・ダウンする。
●モジュレーション・ホイール
LFO(→ビブラート)とVCF(→ワウワウ)の切り替えが可能。
●ボリューム・ホイール
●プログラムアップ・スイッチ/プログラムダウン・スイッチ
●オクターブ切替(L/M/H)
なお他社のショルダーキーボードに見られるようなリボン・コントローラーは装備していません。
ちなみに胴体(ボディ)側の操作子は、プログラム・ナンバーのLEDおよび、プログラムセレクト(0-63)用のいくつかのボタン類といたってシンプルですね。このLEDは赤と緑に点灯するそうです。
重量について
乾電池込み(単3×6本)で4.4kgとなかなかの重さでした。ギターにたとえたら、ギブソン・レスポールよりも(→約4kgだと仮定して)ちょっとだけ重いといった感じでしょうか。。以前本ブログでも紹介した「MOOG Liberation」に比べたら遥かに軽いですが、YAMAHA KX5と比較したらちょっと重めですね。
まあKX5はミニ鍵盤なので、ちゃんとした標準スケールの鍵盤で弾きたいという人にとっては、多少重くてもRK-100の方が向いているかもしれません。ちなみにRK-100のボディ部分は木材でできています。
ひとりごと的な
本機のデザイン性(外観)は昔から評価されており、『歴代のショルダーキーボードの中で最も美しいデザインのものは?』という話題になった時によく挙げられる機種の一つといった感じです。このデザインは後継機である「RK-100S」(2017年7月現在現行製品)にも継承されていて、遠目からでもひと目でKORGのショルダーというのが認識できます。
ちなみに当時のコルグのMIDIシンセといえばPOLY-800(EX-800)などが挙げられ、同じメーカー同士で接続して使用するのが「定番」とされていた向きがあったのですが、もちろん他社のMIDIシンセとも使えます。当時は、「MIDIは同じメーカー同士しか繋げられない」と誤解している人も少なからず存在していたように思えます。
ちなみにRK-100本体に装備されているMIDI OUT端子はロック付きとなっていて、激しめのプレイにおいても途中でケーブルが抜けることを防いでくれます。この辺りの細やかな配慮はにくいですね。
余談的な
本機の当時の広告には、ギタリストとして知られる若き日の渡辺香津美(わたなべ かずみ)さんが起用されてたりしました。ばりばりのギタリストがキーボードの宣伝しているというギャップも個人的にはツボです。。
RK-100/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用
仕様
■鍵盤:41鍵
■コントローラー:ピッチベンド・ホイール、モジュレーション・ホイール、ボリューム・ホイール、プログラムアップ・スイッチ、プログラムダウン・スイッチ、オクターブ切替(L/M/H)
■電源:ACアダプター、単3電池(1.5V)×6本
■外形寸法:1110(W)×69(H)×293(D)mm
■重量:4.4kg(電池含む)
■発売当時の価格:70,000円(ブラック、ホワイト、レッド)、80,000円(ウォルナット)
■発売年:1984年