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1970~80年代'' YAMAHA 【ショルダーキーボード】 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.77】YAMAHA "SHOLKY" SHS-10 ~公式「ショルキー」![1987年]

2018/11/25

 

 

 今回ご紹介する鍵盤は、ヤマハが設立100周年の1987年に発表した、「SHOLKY(ショルキー)」ことSHS-10です。カラーはブラック、シルバー、レッドの3色展開で、当時TVCMでも流れていました。なつかしーと思った貴方は40オーバーですね(笑)

YAMAHA SHOLKY SHS-10


 「ショルキー」というと、今だと “ショルダー・キーボード”を略して一般名詞化していますが、元々「ショルキー」といえばこのYAMAHA SHS-10(もしくはSHS-200)のことを指しました。

 

YAMAHA SHOLKY SH-10(advertisement)
SHOLKY/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

ちょっと思い出的な

 これが出たのは僕が中学~高校の頃でしょうか。当時演奏にはあまり興味のなかった僕ですが、このショルキーだけはどうしても欲しかったです。当時TM NETWORKにハマっており、小室さんをアイドル的な憧れ対象にしていた僕は(笑)、見た目だけでもなりきりたいと思っていたのかもしれません。今思うと、小室さんがTV等で使っていたのは本機ではなかったように思いますが。。
 
 
 当時の定価23,800円はお手頃だったといえますが、バイトもしていなかった少年にとっては大金です。そこで何とか手に入れようと模索して考えたのが「懸賞」。“日清カップヌードルの上ブタ3枚一口で応募でき、抽選でショルダーキーボードが当たる”というのが当時あったのです。
 
 
 そんなわけで親にねだって日清カップヌードルを大量買いしてもらい、計10口(→30個のカップヌードル)くらい応募した記憶があります。結局当たらなかったけど。。
 
 
 今考えると、最初からショルキーをねだった方がよかったんじゃね?なんて思うのですが、当時は親に気を使っていたのだろうと思います。ファミコンすら買ってもらえなかったしなぁ。。
 
 
 

本題的な

 さてこのショルキーことSHS-10ですが、各シンセメーカーの当時の主力商品だった「ヤマハ KX5」、「ローランド AXIS-1」、「コルグ RK-100(KEYTAR)」が学園祭などのライブ向けだとすると、本機は子供向き・家庭向きといった趣だったような気がします。価格も安かったし、同社のKX5にはない「音源内蔵・スピーカー内蔵」ということで、とりあえず手軽に音を出せる一品となっています。
 
 
 関連記事:
 「Roland AXIS-1 ~ローランド最初期のMIDIショルダーキーボード[1984年]
 「KORG RK-100 ~1984年発売のコルグ製ショルダー・キーボード
 
 
 後年僕も本機を手に入れたのですが、32鍵のミニ鍵盤は想像よりもずっと小さかったですね。内蔵スピーカーからの出音もチープで、楽器として何とも頼りない印象でした。
 
 
 

コントローラー群は秀逸!

 とはいえ、ピッチベンド、ビブラートON/OFFスイッチ、サスティン・スイッチを搭載していて、この辺りは高級機と比べても遜色ない装備といえるでしょう。ポルタメントも付いてます。

 

 

 

MIDI OUT装備!

 この手のお手軽電子キーボードにおいて、MIDI出力があるのとないのでは天と地ほどの違いです。当時このショルキーを設計した人、なかなかのファインプレーだと思います。これにより自動伴奏と外部のリズムマシン等をシンクロさせたりすることもできました。
 
 
 このおもちゃみたいなルックス&音で、「多少コストは上がるけどMIDIも実装しちゃおう」と判断されたのは、その後のMIDIシーンの発展を見越した英断といえるのではないでしょうか。
 
 
 今だったら、MOOG辺りの超ぶっとい音源とMIDIでつなぎ、ライブステージでおもむろにぶっといシンセ・ソロを展開したら、さぞかし痛快でしょう。
 
 
 

余談的な

 先の「日清カップヌードルを食べてショルダーキーボードが当たる」のくだりですが、その懸賞品だったのは本機ではなく、「CASIO SK-1の特別仕様(ショルダーキーボード)」でした。これ割と最近になって知りました。。記憶なんて曖昧なものですね。。
 
 
 なお本機には、後継機となる「"SHOLKY II" SHS-200」という、いわば “2代目ショルキー”も発売されています。別記事にしてありますので、興味のある方はどうぞ。
 
 関連記事:「YAMAHA "SHOLKY II" SHS-200 ~2代目「ショルキー」[1988年]
 
 

仕様
■鍵盤:32鍵(ミニ鍵盤・オクターブ幅125mm)
■音源方式:FM音源(2オペレータ 25音色)
■オートリズム:25パターン
■コントローラー:ピッチベンド・ホイール、ビブラートON/OFFスイッチ、サスティン・スイッチ
■外形寸法:751(W)×57(H)×178(D)mm
■重量:1.1kg(電池除く)
■発売当時の価格:23,800円
■発売年:1987年

 

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