【Vol.24】Viscount D9E ~オルガンD9の音源モジュール版[1993年頃]
2018/11/23
今回はオルガンモジュール・「Viscount D9E」のご紹介です。イタリア製であり、日本での発売は1993年頃。「Viscount」は “ヴァイカウント”、“ヴィスカウント”などの呼び方がありますが、正確なところはよく分かってません(すみません)
この形状を見てピンときた人! 相当な通ですね(笑)。そうです、これはOberheimの「OB・3」とほぼ全く同じ形状なのです。実はスイッチの配置や書かれている文字まで一緒なのです。
音とか操作感はどんな感じ?
本ブログの記事「Oberheim OB・3 ~オーバーハイムが作ったオルガン音源モジュール」をご参照ください。ほぼ全く同じ中身と思って頂いていいです(古い物なので個体差はあるかもしれませんが)
なお両機にいえることですが、アナログ回路なので、そこそこの出力のアンプおよびスピーカーで鳴らすと太くて暖かい音が出ます。
では「OB・3」との違いは全くないの?
違いがあるとすれば、外観に使われている材質くらいでしょう。「OB・3」のサイドパネルには本物の木を使っていますが、本機ではビニール・ベニヤが張り付けられています。いってみればフェイクの木です。
カラーリングも本機はダークグレーであり、「OB・3」はオーバーハイムお決まりのクリーム色となっています。
じゃあ「D9E」と「OB・3」はそもそもどんな関係なの?
Viscount D9Eが本家で、Oberheim OB・3の方がそのOEM版(※1)らしいです。なるほど!
おまけ
なおこのD9Eには鍵盤付きモデルの「Viscount D9」というのもありますね。そちらは61鍵仕様で、左側に9本のドローバーおよびスイッチ類が集約されています。外観はコルグの(旧)CX-3に似ている感じでした。
関連記事:「KORG (旧)CX-3/BX-3 ~レスリーとつなげてロックに鳴らす![1980年]」
---
※1 OEM【Original Equipment Manufacture】 …他社ブランドの製品を製造すること。委託者(生産を依頼する)側と受託者(生産する)側があり、それぞれに違ったメリットがある。委託側から見れば、自社生産を行わないことによるコスト削減や、知名度向上などが期待できる。
仕様
■ドローバー:9列(16', 5 1/3', 8', 4', 2 2/3', 2', 1 3/5', 1 1/3', 1')
■最大同時発音数:8音
■プリセット:6種
■パーカッション:4'(セカンド)、2 2/3'(サード)
■ビブラート:1、2、3
■ロータリーサウンド:ON/OFF、SLOW/FAST、OVERDRIVE
■外形寸法:285(W)×89(H)×390(D)mm
■本体重量:4.3kg
■発売当時の価格:129,000円
■発売開始年:1993年頃