音楽(ライブ)における「最高の瞬間」を思う
2018/11/25
トップアスリートやプロスポーツ選手などと違って、ミュージシャン(アーティスト)の場合、高齢により体力や感性に衰えが顕著に出ない限り、よほど「引退」という言葉を使わないと思います。
アマチュアだったらなおさらで、バンドを脱退するケースは多々あれど、
「楽器演奏を引退する!」
と宣言する人は今まであまり聞いたことがありません。
まあ仕事や子育てが忙しくなったからとか、特殊な環境に引っ越したとかで、半ば不可抗力でフェードアウトしていくことは大いにあります。家庭の事情などにより、「バンドマンは引退するけど楽曲制作はマイペースに続けていく」という人もいますね。
僕の場合
個人的にじゃあ何故続けているかというと、「最高の瞬間をまた味わいたい」という理由が大きいです。もちろん気の合う仲間とだらだら楽しくやりたいとかいう理由もありますが、ライブ、スタジオリハーサル問わず、奇跡的な瞬間が訪れるのを秘かに期待していたりします。
僕もこれまで1~2度だけですが、ライブにて、普段は絶対出ないような想像力あふれるインプロビゼーション(即興演奏)が降りてきたことがあります。プロだったら当たり前にできるのかもしれないけど、僕にとって(自分も知らない)未知の引き出しが勝手に開いた瞬間というのは、言葉には言い表せない感動経験でした。
奇跡のライブ
また、バンドとして奇跡的なライブというのが、ごくごくまれにあります。「今日のライブ、奇跡だったよなぁ。。」なんて終演後ぼんやり振り返っている時、別のメンバーも「今日のライブ、なんか奇跡みたいだったよね!」と興奮気味に告げたりして、“あぁやっぱり他のメンバーもそう感じてたんだ。。面白いかも。”などとしみじみしてしまいます。
少なくとも僕にとって「奇跡の瞬間」の感覚は非常に稀有であり、その領域にまた入りたい、味わいたいと、かれこれ20年近く追い求めています。おぼろげで手に取ると一瞬で消えてしまうような感覚だけど、絶対的な魅力があります。
プロスポーツ選手の場合、たとえ全盛期を過ぎたとしても現役にこだわって続けている人っていますよね。ひょっとしたら “最高の瞬間”を追い求めてるのかな? と思ったりもします。
つぶやき的な
最高のライブだと感じるのは(おそらくプロでも)非常に難しくて、自分の音、バンド全体のグルーヴ、会場の音響、お客さんのノリ等、色々な要素がからむのではないかと思います。
そうはいってもバンド運営や練習ではしんどいことの方が遥かに多いですね。。何でこんな辛いこと続けてるんだろうなんて思うこともあります。でもまあ生活環境も割と落ち着いてるし、僕はとりあえず「引退宣言」はしませんよ!