【雑誌】『月刊エレクトーン』(ヤマハミュージックメディア発行)[1971年~]
2019/03/02
今回ご紹介する雑誌は「月刊エレクトーン」です。僕はエレクトーンについてはほぼ知識ゼロであり、今回お試しでバックナンバーを数冊読んでみたのですが、なかなかどうして色々な発見がありますね。新鮮な気持ちで読めました。
そもそもエレクトーンとは?
コントローラーとして上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤、エクスプレッションペダルなどを装備し、多数の音色を出すことができます。リズム機能(→ドラムマシン)も付いているため、一人で多パートのアンサンブル演奏を行うことも可能となっています。
なお「エレクトーン」という呼称はヤマハ株式会社が製造・発売する電子オルガンの商品名であり、同社の登録商標となっています。そのため他社の電子オルガンは個別の名称となっています(河合楽器製作所は「ドリマトーン」、ローランドは「ミュージックアトリエ」など)。
そこで「月刊エレクトーン」
姉妹紙?である「月刊ピアノ」と同様、割と最近のJ-POPとか話題曲が多く掲載されています。
まず、譜面が独特だと感じました。もちろん楽譜(五線譜)自体は特殊ではないのですが、併せて音色やリズムパートの指示も表記されています。そしてもれなく3パート(上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤)の譜面となっています! これはピアノが弾けてもエレクトーン初心者にとっては大変だ。。
また、「エレクトーン」と冠しているだけで “ヤマハの電子オルガンのみですよ!”と言っているようなものだし、基本的に現行の(ヤマハ・エレクトーン)モデルを基準にして音色指定などもされています。これはちょっと驚きました。
「YAMAHA MONTAGE 専用譜面」とかもしあったら面白いかも。売れないだろうけど(笑)。。ここの辺りはシンセサイザーとはちょっと異なる点かなと感じました。
グレードとは?
誌面でよく目にするのが「演奏グレード」の表記。5級とか6級とかのワードがよく出てきます。これは「ヤマハ音楽能力検定」という制度において、演奏(もしくは指導の)スキルの目安となる等級のことです。ヤマハのピアノ教室等にもこのグレード(級)制は導入されていますが、エレクトーンの方がより前面に出ているような気がしました。
個人的つぶやき
エレクトーンはピアノと違って、機種に大きく依存するのだなと感じました。ちなみにですが、(2016年末現在の)現行モデルの一部をちょっと見てみてみましょう。
YAMAHA STAGEA(ステージア)シリーズ
「ELB-02」(180,000円税別)
「ELS-02」(650,000円税別)
「ELS-02C」(980,000円税別)
上記よりさらに上の最高級モデルは150万円超えなんてのもあるんですね。。なおリーズナブルなモデルも高級モデルも、外観は劇的に異なっているわけではないです。それなのにこの価格差。。興味深いです。
そういったエレクトーン・プレイヤーを対象とした本誌が、1970年代から現在まで刊行され続けているのは、やはり固定購買層(演奏者)が一定数いるということでしょう。エレクトーンも奥が深いのですね・・・勉強になりました。
補足的な
エレクトーンって見た目はハモンドオルガンに似てるし、音色が多彩なところはシンセに似ているような気がします。実際、ある程度の音色エディットが出来るエレクトーンもあるみたいです。
ではいわゆるポップスやロックのプロ・キーボーディストで、エレクトーンをバンド(ライブ)で使っているという人はいるのでしょうか。実はいる(いた)のです。これはまた別の記事で書いてみたいと思います。
雑誌『月刊エレクトーン』
■発行所:株式会社ヤマハミュージックメディア
■創刊年:1971年(毎月20日発行)