【Vol.88】KORG (旧)CX-3/BX-3 ~レスリーとつなげてロックに鳴らす![1980年]
2018/11/25
さて今回はKORGのコンボオルガン、CX-3のお話です。1980年に発売された初代と、(当時の)最新技術を取り入れて2000年に発売された2代目があります。どちらも2段鍵盤のBX-3といった兄弟機がありますね。今回取り上げるのは80年に発売された旧機の方です。
そんなCX-3、僕は初代のそれを愛用していた時期があります(90年代末頃)。ヴィンテージ鍵盤好きのベーシストが、バンドメンバー宅のプライベート練習スタジオに常設してくれたのです。
しかもですね、本物のレスリー・スピーカー付きです! 今となってはどんなレスリーだったか正確に覚えてませんが、147に似た外観だったと記憶しています。ホーンとローターが回転する様子がばっちり確認できました!
BX-3(旧モデル)/京王技研工業株式会社 雑誌広告より画像引用
CX-3+Leslie147(たぶん)の威力
CX-3の素音はやっぱりそっけなくて、当時所有していたHAMMOND XB-2のそれと大して変わらないじゃんと思ったのですが、レスリーを通すとその音の震えたるや野獣が咆哮を上げているがごとし。。
うおおお うなってる、うなってるよ! すげぇぇぇーーー!!
特にグリッサンドした後での、SLOW→FAST切り替え時の高揚感といったら、言葉に尽くせないです。また、単純なコード回しだけで、ものすごく「音楽的」に聴こえるから不思議です。以前本ブログで「オルガンにダンパーペダルはありか?問題」という記事を書いたのですが、本物のロック・オルガンにサスティン・ペダルなんて全く必要ないと感じた瞬間でもありました。
そんなわけで、バンドの課題曲(→B'zのコピー)とは全く関係ないEL&Pの「タルカス」なんかを仕込んじゃったりして、左手の5拍子でなんちゃってエマーソンして遊んでました。
何だかレスリーの方をフィーチャーしてしまいました。。いやいや、オルガン自体も木目ボディといい、いい味でしたよ。
この子がコンボ・オルガンの中でも名を残しているのは、単純にハモンド・オルガン(B3)の音の再現を目指していただけではなく、独自の機能を持っていたのが大きいんじゃないかなと思います。実際、音のキャラクターもハモンドとは違って独自の色を持っていたように感じます。
スペックについて
前置きが超絶長くなりましたが、基本的な機能を見てみましょう。
■9本の物理ドローバー装備(16'~1') ※BX-3の場合は9本×2
■2個のパーカッション・スイッチ装備(4'、2 2/3)
■ロータリー・エフェクト内蔵
■オーバー・ドライブ内蔵
■キークリック・ノイズ調整ボリューム装備
■トーンコントロールつまみ装備(※使用するアンプによる音色を調整可能)
他にも、ドローバーのレジストレーション(セッティング)がプリセットで用意されており、ボタン一つで音色の変更が可能です。
なおドローバーのフィートは「16'、5 1/3'、8'、4'、1 3/5'、1 1/3'、1’」です。
BX-3(旧モデル)/京王技研工業株式会社 雑誌広告より画像引用
個人的に思う処
こうやって見ると、コンボ・オルガンの基本仕様って80年代前半に既に完成していたのかなーと感じます。個人的には、ジャズ・オルガンの人はHAMMOND、ロック・オルガンの人はCX-3の人が多かったように思います。
2000年にリニューアルされたCX-3についてはまた別の記事で紹介したいと思いますが、個人的にはこの旧機の方が思い入れが深いですね。機会があればぜひレスリー・スピーカーとセットで鳴らしてみてくださいー
仕様
■ドローバー:16'、5 1/3'、8'、4'、1 3/5'、1 1/3'、1’
■パーカッション:4'、2 2/3
■外形寸法:
CX-3:1149(W)×137(H)×315(D)mm
BX-3:1149(W)×193(H)×530(D)mm
■重量:10.5kg(CX-3)、22.5kg(BX-3)
■発売当時の価格:196,000円(CX-3)、388,000円(BX-3)
■発売開始年:1980年