【雑誌】月刊『Sound & Recording Magazine(サンレコ)』(リットーミュージック発行)
2019/03/02
今回ご紹介する雑誌は、音楽制作者にとっての総合音楽情報雑誌「サウンド&レコーディング・マガジン」です。通称「サンレコ」。クリエイターやエンジニアに向けて、レコーディング機器や音響機器、電子楽器、楽曲制作ソフトなど幅広いジャンルの情報を提供してくれます。
もうこれはあまりにも有名な雑誌ですね。いわゆるプレイヤー(ギタリスト、キーボーディスト、ベーシスト、ドラマー等)の間でも愛読者が多いです。
出版のあゆみ
創刊号が発行されたのは1981年11月で、当初は「キーボードマガジン」の増刊号としてスタート。創刊号(VOL.1)およびVOL.2を経て、1982年5月号からは独立した月刊誌として本格的にスタートを切りました。 2014年8月号では通巻400号を迎え(※ただし初期の別冊『GROOVE』を含む)、2018年現在も発行が続いています。
内容は?
音響機器(マイク、卓、アウトボード類、スピーカー等)を始め、楽器用エフェクター、MIDI、DAWなど、近年ではデスクトップミュージックにおける情報も網羅的に扱っています。もちろん昔ながらの宅録やPAについての記事もあります。
シンセサイザーに関しては、(DAWやプラグインが中心ですが)時々「キーボード/シンセサイザー特集」が組まれる号があり、専門雑誌でない分、説明が非常に丁寧で初心者にも分かりやすいと個人的には思います。
誌面サイズ変更という大変革
2015年5・6月合併号から、それまでのA4変サイズからB5変サイズへと小さくなりました(→面積比で約86%)。これにより定価も若干下がったのですが、僕の知っている複数のサンレコ愛読者の間では当初不評の声が多かったです。
「あのサイズ感というか、手に取った時のほどよい重さがよかったのにね~」
みたいな。。ちなみに本のサイズが小さくなったのに反し、本文文章の文字サイズ(および行間幅)は大きくなってますね。電子書籍ユーザー向けに配慮したのでしょうか。。読みやすくなったという利点はもちろんありますが、一記事あたりの情報量は以前よりも減っているような印象を受けます。
あと発売日も毎月15日→25日に変更されました。
電子書籍版について
現在(2017年2月)ではKindle/Kobo/Kinoppy/yodobashiでもサンレコを読めるようになっています。電子派の人にとっては誌面のサイズ変更はあまり関係なかったかもしれませんね。なお誌面サイズが変更される以前から「iPad版」も紙版と並行発売していました。
ちなみに『月額980円で読み放題』でおなじみの、Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」が2016年8月からスタートしているのですが、このサンレコも当初そのサービスに含まれていました。残念ながら現在ではUnlimited対象外なのですが、リットーミュージックさんの音楽系・クリエーター向け電子書籍はUnlimited対象になっているものが多いですね。DTMerなどの人にとってはメリットが多いかもしれません。余談でした。
広告ページについて
サンレコといえば(特に90年代、00年代において)、多くの広告ページが掲載されていたことでも知られていました。メーカー広告はもちろん、サウンドハウスを始めとする大量のショップ広告が、本全体の3分の1ほどを占めている時代もありました。
現在はそういった広告の量は大幅に減りましたが、個人的にはあの大量の広告を見ているだけでワクワクしたものです(笑)
個人的つぶやき
地上波テレビとかでも出る知名度の高いミュージシャン(兼タレントみたいな印象の人)が、本書のインタビュー記事では「根っからの音楽オタク・宅録オタク」としてマニアックな受け答えをしていることが多くて面白いですね。好きな(売れてる)ミュージシャンが表紙に登場しているというだけで購入してしまったライトな購入者は、その内容の難解さに打ちのめされることでしょう(笑)
あと、本誌で紹介されるミュージシャンのプライベート・スタジオは、どれも広くて機材も充実していて驚くこと然りです。『いつか自分も自室のスタジオをこんな環境に!』と感じている人も多いことでしょう。。
雑誌『Sound & Recording Magazine(サウンド&レコーディング・マガジン)』
■発行所:株式会社リットーミュージック
■発行期間:1981年11月(VOL.1)~