ヤマハピアノ掛川 工場見学に行って来たった!(2017年4月某日)
2018/11/25
先日ヤマハピアノ掛川工場さんへ見学に行ってきましたので、非常に簡単ですがレポートしてみたいと思います。ヤマハ掛川工場といえば、2010年に浜松工場のアップライトピアノ製造が統合され、現在国内で唯一、ヤマハのピアノを製造している工場となっています。一般の人でも見学が可能なピアノ工場とのことで、ピアノ好き(ピアノオーナー)だったら一度は見学しておいて損はないですよ!
以下若干のネタバレを含みますのでこれから見学に行く予定の方はご注意ください。なお情報は2017年4月現在のものです。
掛川駅から天竜浜名湖鉄道に乗って「桜木駅」下車、そこから徒歩10分くらいで到着しました。もちろん来館者向け駐車場もあるので、車でも向かえます。
こちらがちょっとしたショールームも兼ねた「ハーモニープラザ」。工場見学の際はこちらで最初に受付を済ませます。
ハーモニープラザのエントランスをくぐると真っ先に目に入るのがこのピアノ。譜面立てに描かれた絵が実に “和”です。
このピアノは、エルトン・ジョンの映像と共に連動して演奏を奏でるものとなっているそう。
元々は、ヤマハ創業125周年記念事業の一つとして米国で行われたコンサートにエルトン・ジョンが出演した際、ヤマハ独自の遠隔技術で世界11カ国の会場に置かれたピアノが、エルトンさんのストリーミング映像に合わせ自動演奏したというものらしいですね。
こちらはAvantGrand(アバングランド)。グランドピアノと同じ方式の専用ピアノアクション機構と電子音源を併せ持ったハイブリットピアノですね。
「それって “サイレントピアノ”と何が違うの?」という質問が聞こえてきそうですが、サイレントピアノ™と違ってこのAvantGrandには弦がありません。ハンマーで叩くアクションに 「非接触式キーセンサー」が反応して電子でピアノ音を出すという仕組みらしいです。
弦が無いのが確認できるでしょうか。
こちらは、小室哲哉さんが提示したデザインをもとに製作されたオーダーメイドピアノで、TMNの全国ツアー『TMN EXPO』(1991~92)で使われました。もちろん非売品です。通称・EXPOピアノ。
TMNのアルバム「EXPO」のコンセプトが “月とピアノ”であり、このピアノも宇宙船をイメージしてデザインされたそうです。製作されたのは当時の浜松工場だったそう。
当時のTMN(TM NETWORK)は自分にとってもどストライクの世代であり(笑)、雑誌でしか見られなかったこのピアノを、25年以上経った今目にすることができたというのは感慨深いですね。。造形が非常に凝っていました。
別ブースには、リヒテルが使用したと言われるコンサート・グランド「CFIIIS」が展示。
歴史が感じられる足踏みオルガン。ナビゲーターのお姉さんがデモ演奏をしてくれました。
ハンマーアクションの挙動がよく分かるスケルトン構造の展示もいくつか。
ツアー開始!(イントロダクション)
さて最初は、ナビゲーターの方による、ショールーム内のピアノについての参加者への説明。そして別室に移動し、映像によるヤマハ(およびヤマハグループ)の事業説明VTRを拝見しました。楽器事業以外にもネットワーク機器(ルーター等)や半導体の製造もされていたんですね。
また、落語家の柳家花緑(やなぎや・かろく)さんによるナビゲート映像なども楽しく観ることができました。花緑さんはピアノが趣味ということで、演奏もなかなかのものですね。
いざ工場ラインへ
VTRが終わるとワイヤレスマイクの受信機を渡されました。ナビゲーターさんの説明が聴き取りやすいよう装着してくださいとのこと。人がごった返す有名観光地でのガイド用とかでも使われますね。
このイヤホンはちょっと装着にコツがいりますね。。最初のうちは慣れずに耳から外れて難儀しました。。
そして工場に向かうのですが、ここから先は写真撮影NGとのことで画像はありません。あしからず。
工場内での説明
工場内に立ち入ると、意外?と製造音が響いていて、なるほど受信機があるのは助かるなと納得。。
「整音」という工程にて、音量・音色を均一に揃えるための調整が行われる様子を見学。全3回の整音工程があるそうで、1~2回目は機械で、3回目は熟練した技術者により手作業で行われるとのこと。
そういえば以前、TVのバラエティ番組で「ピアノの音を決定する人」という特集を見たことを思い出しました。技術者による手作業の整音工程は、ピアノの弦を叩くハンマーに針を刺して硬さを調節するというものでした。まさに職人の技といった感じです。
そして木材の保管庫を見学。ここでは出荷地域に合わせた湿度・温度に調整し、数ヶ月にわたって「シーズニング(湿度・温度の管理)」が行われるそうです。日本を含めたアジアは高湿度、欧米では低湿度ということで、調整も大きく2つに分かれているそうです。
他にも色々な工程を拝見し、都度ご説明を頂いたのですが細かな内容は忘れてしまいました。。
工場見学後
工場の見学コースが終わると3台のグランドピアノが置かれた部屋に移動し、細かな音色の違いを聴き取るという演奏デモンストレーションが行われました。同じモデルでもやはり個体によって音色のニュアンスが異なるということなのですね。。僕にはほとんど区別がつきませんでした。
そして見学の最後は、参加者全員にピアノのハンマーのキーホルダーがプレゼントされました。あざっす!
まとめ的な
僕もヤマハのグランドピアノ(C6L)を所有しているのですが、実に長い時間を経て多くの工程を通った上で、ようやく一台のピアノが完成するという流れが(ざっくりとですが)分かりました。職人さんの技が必要な工程も多く見られ、それでも完成後の音が一台一台微妙に違うところなんかは、ピアノ製造の奥深さをひしひしと感じさせてくれました。
また、ナビゲーターさんの案内・説明も非常に丁寧でした。こちらからのちょっとした質問にも快く答えてくださいました。ありがとうございました。
なお見学には予約が必要であり、基本的に工場稼働日(つまりほぼ平日)のみ見学可能といった感じです。見学には他にもいくつか注意点がありますので、詳しくはヤマハ掛川工場さんのホームページをご確認ください。定員は決められていますが、今回の僕みたいに “ぼっち”でも参加できますよ!
ヤマハ株式会社 掛川工場 ハーモニープラザ
〒436-0038 静岡県掛川市領家1480
https://www.yamaha.com/ja/about/locations/piano_factory_tour/
予約受付用TEL:0537-24-8069
予約受付時間: 平日 9:30~17:00(年末年始、GW、夏季休暇等を除く)