キーボーディスト、脱初心者を目指す

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ヒント集 音楽

シンセサイザーにおけるキーボード・スプリット機能について

2018/11/26

 

 

 本ブログは基本的に毎日更新していて(※でも最近忙しくて毎日はちょっとキツくなっている)、毎日欠かさず読んでくださる人もありがたいことにいらっしゃいます。そんな鍵盤マニア(?)の方々にとっては当たり前とも言える、シンセサイザーにおけるキーボード・スプリットについて改めて触れておきたいと思います。
 
 
 まあこのブログも自分(=マニア)としては “知っていて当然”と思っていることも、鍵盤初心者や他楽器パートの人から “専門用語ばかりでよく分からん”というご意見も頂戴するわけで、ちょっと初心に返ってみようかなと思った次第です。
 
 
 

スプリット=分割

 シンセは、ある一つの音色が全鍵盤に(音程違いで)配されているのが大半なので、「それが普通、それで演奏するのが当たり前」と思っている初心者の方も少なからずいらっしゃるかと思います。
 
 
 でも今どきのデジタル・シンセには「キーボード・スプリット」なる機能が大抵装備されています。これは、例えば鍵盤域の左半分はアップライトベースの音色、右半分はピアノの音色といったように、全く違う音色を分割(=スプリット)して、鍵盤上に配するといったものです。
 
 
 

鍵盤スプリット・プログラミングの実際

 シンセメーカーによって違いますが、例えば、ローランドでは一つの音色を「PATCH」、それを複数組み合わせたものを「PERFORMANCE」と呼ぶことが多いですね。またコルグでは一つの音色を「PROG」、それを複数組み合わせたものを「COMBI」と言ったリしますね。

 分かりにくくさせているのが、単音(「PATCH」「PROG」)にせよ、複音(「PERFORMANCE」「COMBI」)にせよ、どちらもまとめて “音色”と呼ばれるところです。ああ紛らわしい!(笑)
 
 
 音色スプリットする場合はふつう、上記で言うところの複音のモードで行います。つまり単音色にて鳴らす鍵域を指定し、それを複数配置するといったイメージです。もちろん各単音色の音程、音量、内蔵エフェクトなども演奏に即したようにプログラミングしていきます。複雑になりそうだったら、実際にプログラミングを始める前に大まかに設計図を描いておくとよいですよ。なお作った音色セットは本体にセーブ(保存)しておきましょう。
 
 
もちろん
「じゃ具体的にどうやって操作するの?」
 
 
という質問が出てきて当然かと思いますが、詳しくは各シンセの取扱説明書を見て下さいとしか言えないです。ごめんなさい。。とりあえずここでは「こんなこともできるよ!」ということを知って頂ければ幸いです。
 
 
 

補足

 なおスプリットをする上で、“同時に鳴らせる音色数は機種によって限りがある”という制約があります。
 
 
 これは、カタログや取扱い説明書などにも書かれているその機種の「同時発音数」や「マルチティンバー数」というものに依存します。僕がシンセを本格的に始めた20数年前とかの機種だと非常に少なかったものですが、今どきのシンセだったら必要十分の数が揃っているので余り気にする必要はないと思います。10年以上前のオールインワン・シンセなどを手に入れて使っていく人は一応注意しておいてください。
 
 
 

完全に余談

 実際、僕はかつてドリカム(DEAMS COME TRUE)のコピバンおよびセッションで、61鍵盤のKORG TRITONにて5つの鍵域の音色スプリットをプログラミングしたことがあります。オケヒット音色を1キーのみに割り当てたりとか(→当然トランスポーズやオクターブ・シフトを駆使している)、かなり強引なプログラムを組んだ記憶があります。。だったらサンプラーとかでやった方が楽だったかもしれないな、今気付いた。
 
 
 しかもドリカムはブラスの音色が印象的で、ブラス系は複数音色を重ねることになるので、あっという間にティンバー数を消費してしまいます。当時はドリカム向けにカスタマイズした専用のシンセを作っているという感覚であり、演奏以前に非常に難儀したことを思い出します。こんな時に同じ機種を2段重ねできればぐっと楽になるんですけどねー。
 
 
 関連記事:「ドリカムセッション行ってきた! ~鍵盤的ドリコピ回顧録
 
 
 

レイヤーについて

 ちなみに “鳴らす鍵域”が複数音色で一致している(=音色が重なっている)ものは「レイヤー」と呼ばれます。スプリットとレイヤーは基本的に考え方が同じなため、ワンセットで語られることも多いので、ついでに覚えておくとよいですよ。こんな感じで今回は勘弁してください(笑)
 

 

 

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