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HAMMOND 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.19】HAMMOND XB-2(その2) ~Ver1.1のお話です

2018/03/08

 以前本ブログで「HAMMOND XB-2(その1) ~ファーストオルガン回顧録」という記事を書いたのですが、今回はHAMMOND XB-2を、アカデミック?な視点で記述してみましょう(ただし若干主観も交じってます)
 

HAMMOND XB-2
 
 
 

販売の経緯

 発売は1991年で当時の価格は180,000円。この手の1段鍵盤・1ドローバーセットのコンボオルガン(バンド用オルガンのこと)は、かつてのコルグBX-3、CX-3が製造中止となって以来、長年市場に投入されてきませんでした。
 
 
 そこで名機B-3を生み出した本家ハモンドが、90年代のデジタル全盛の時代に甦らせたハモンドオルガンがこのXB-2です。となるとそれはもう期待が高まります。実際僕も高まりまくっていて買ったわけですが(笑)
 
 
 僕は本家B-3を演奏したことはないけど、機能としてはほぼB-3を網羅していると言っていいと思います。9本の物理ドローバー、2種類のパーカッション(Second, Third)、ビブラートなどなど。各方面はどうでしょう。
 
 
 

音源方面

 B-3サウンドの象徴でもある「トーンホイール方式」を、“MUSE音源”という(当時)新方式の音源を用いることでB-3のシミュレーションを試みています。
 
 
 かつてのトーンホイール方式は、91枚の歯車を作動させサイン波を発生させるものでしたが、MUSE音源では、ここの1枚1枚のトーンホイールを忠実に一定の長い周期でサンプリングして、同じ状況を作り出しシミュレートするものだそうです。当時の最新テクノロジーを組み込み、B-3に近付けようとしていた姿勢が見てとれます。
 
 
 

音作りについて

 本機では9列のドローバーを搭載しており、各ドローバーに割り当てられた各サイン波を組み合わせて様々な音色を作っていきます。その元となるサイン波は、「B-TYPE」「MELLOW」「BRIGHT」の3種から選ぶことができます。簡単に説明してみましょう。
 

■B-TYPE
  トーンホイール音源を忠実にシミュレートした伝統的な「B型タイプ」(※いわゆるB-3サウンド)の音源。オリジナルに見られたピッチや位相のズレ、ノイズ成分などもシミュレートしている。

■MELLOW
  透明感のあるサイン波の音源。

■BRIGHT
  わずかに高調波成分を含み、明るさと輝きを持ったサイン波の音源。

 

 

レスリー方面

 デジタル・レスリー・エフェクトも内蔵していますが、何といっても本体リア・パネルで存在感を放つ(笑)、大きな11ピン仕様のレスリースピーカー用ソケットが目を引きます。レスリーを接続した場合は、ラインアウトからの出力は自動的にキャンセルされ、内蔵レスリー・エフェクトもキャンセルされます。そうなるとパネル上の「レスリー・ファスト」スイッチも、本物レスリーの方の制御に変わります。ここらへんよくできてますね。

 

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エクスプレッション・ペダルの接続

 エクスプレッション・ペダル端子はDINの8ピンとなっていて、専用のペダル(EXP-100A)が必要です。のちの同社の汎用エクスプレッション・ペダル(EXP-50等)はXB-2には使えないので注意が必要です。
 
 
 

プリセットとエディット機能

 本機には、通常の演奏時の「プレイ・モード」と、細かい音作りが可能な「エディット・モード」という2つのモードがあります。プレイ・モードではプリセットとして、エディット・モードではエディットの各パラメーターを選ぶ役割をします。スイッチは左側の鍵盤の下にあります。
 
 
 

スプリット機能

 鍵盤をアッパーとロワーに分け、それぞれ別音色にすることにより、2段鍵盤的な演奏が可能。ロワーの方はオクターブ上げもできるのでありがたいかも。。
 
 
 

謎の「SEND」「RETURN」端子?

 本体リア・パネルには、ミキサーで見かける「SEND」「RETURN」端子が装備されています。これは実際ミキサーみたいにエフェクターをつなげても、ライン出力ではエフェクトはかからないので要注意。この場合のエフェクトは、レスリー接続時に、レスリー音のみに働きます。
 
 
 
 

当時の僕が感じていたこと

 パネル上面のほとんどがフラットであり、ちょっとしたカンペとかを貼るのに都合よく、非常に重宝したことを覚えています。
 
 
 なお左側の鍵盤下に集中したデジタルスイッチ類は、演奏中に手を滑らしてよく誤って押してしまいました。これをやるとプリセットが変わってしまうので、突然予期せぬ音色に変わったりするので要注意です。
 
 
 
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 こんな感じでしょうか。あと、「キークリック・ノイズ」「オーバードライブ」「リバーブ」なんかもエフェクトとして内蔵されていました。個人的にはあんまり使わなかったけど。
 
 
 
 関連記事(ハモンドスズキ オルガンシリーズ):
 「HAMMOND XB-5 ~可搬性に優れた90年代の2段鍵盤・ハモンド[1992年]
 「HAMMOND XB-1 ~XB-2の6年後に登場したハモンド直系デジタル・オルガン
 「HAMMOND XM-2 ~お手頃ハモンド[2006年]」 
 

仕様
■鍵盤:61鍵
■同時発音数:ドローバー・合計16音
■ドローバーボイス:B-TYPE、MELLOW、BRITE
■パーカッション:2nd Harmonic、3rd Harmonic
■プリセット:8プリセット、キャンセル、レコード
■オルガンパッチ:128ブロック
■デジタルリバーブ:4モード(ROOM、LIVE、HALL、CHURCH)
■ビブラート:V1、V2、V3、C1、C2、C3
■外形寸法:1160(W)×110(H)×310(D)mm
■重量:13.5kg
■発売当時の価格:180,000円
■発売開始年:1991年

 

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