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KAWAI 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.397】KAWAI R-100 ~編集機能充実のカワイ製本格ドラムマシン[1986年]

 今回槍玉に上げるデジタル機材は、1986年にカワイから発売されたデジタル・リズムマシン「R-100」です。発売時の定価は99,800円。

 

 

 本ブログでも何度か取り上げている昔のドラムマシン(リズムマシン)ですが、KAWAIのドラムマシンを紹介するのは初めてですね。本機は32kHzサンプリングによる24種のドラム音色を内蔵しており、当時この充実した内容で10万円を切る!ということでハイコスパ・ドラムマシンといったところでしょうか。
 
 
 今となっては珍しいこのKAWAIのドラムマシン、早速紹介してみたいと思いますよ!
 
 
 

音源部

 12ビット量子化、32kHzサンプリングという、当時としては分解度の高いフォーマットによるサンプリング音源を採用。いわゆるPCM音源ですね。内蔵された音源(音色)は全24種類、以下列挙してみましょう。

●バスドラム(1/2/3) ●スネアドラム(1/2/3) ●ハイタム ●ミッドタム ●ロータム ●ハイハットクローズ ●ハイハットオープン ●ライド(1/2) ●クラッシュ(1/2) ●カウベル ●チャイナ ●クラップス ●シェイカー ●アゴゴ ●コンガ ●タンバリン ●ティンバル ●クラべス

 
 いわゆるトラディショナルなドラム・セットにとどまらず、パーカッション音色もある程度押さえてあるのがポイント。各音色はレンジの広い、当時としてはリアルなドラム・サウンドといった感じでしょうか。
 
 
 使用頻度の高いバスドラおよびスネアは各3音色用意されており、そのうち各々1つはあらかじめリバーブが掛かったものが収録されています。この点もそれまでのドラムマシンではあまり見られないアプローチと言えるでしょう。なおドラムに深くリバーブを掛けるというのは80年代の流行サウンドでもありました。時代ですね(笑)
 
 
 各音源はいい意味でクセがなく、後にEQやエフェクター処理をしやすいキャラクターと言えるでしょう。
 
 
 

音源パッド(×8)搭載

 各楽器音がアサインされた「パッド(Instrument Pad)」をパネル上に8つ配置。各パッドには3つの音色が割り当てられており、INST.SELECTスイッチにより音色を切り替えられるようになっています。
 
 
 このパッドですが、いわゆるタッチ・レスポンス機能を備えており、24音源全てにおいて個別に抑揚を付けることが可能。楽曲中の個々の打楽器音にマッチするレスポンスが得られるということで、その頃のシンセと近い操作感で音作りができたのではないかと思います。
 
 
 

入力方法について

 リアルタイムおよびステップの2方式に対応。なおリアルタイム入力では「オート・パンチ・イン/アウト」ができるのが本機の特徴でもあります。
 
 
 これは、例えば特定の小節に少し手を加えてパターンを変えたいといったケースで、パンチ・インする小節とパンチ・アウトする小節を指定し、さらに演奏開始小節を指定した後で本機をスタートさせて、リアルタイムでパッドを叩くことにより自動的にパンチ・イン/アウトしてくれるというもの。
 
 
 独立したテンキーが本体に備えられているので、小節指定なども分かりやすく行えますね。もちろんLCDディスプレイにて値を目で確認することができます。

 

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マルチコントロール機能

 各音源(音色)には、上記のタッチ・センスの他にも、レベル(音量)、チューン(音程調整)、パンポット(定位)も各々独立して設定が可能となっています。スネアを2種類用意して、一方のチューン(ピッチ)を下げて重ねるとサウンドに厚みが出るなどの技もありました。
 
 
 

オーバーダブ機能

 本機には通常のソング・トラックの他に「オーバーダブ・トラック」なるものを持っており、ソングをいったん組み立てた後に後追い録音を行うことができるという機能。
 
 
 例えば、基本的な(リズム)パターンは同じだけど、シンバルだけ(あるいはスネアだけ、バスドラだけ)が少し違うといったケースで、新しいパターンを作らなくても、ソング中の特定の楽器音を入れたい箇所だけに後追い録音してOKといった感じ。能率的なソング編集ができます。
 
 
 

メモリー容量

 本体内に最大100パターン(1パターンにつき最大99小節)がメモリー可能。また、パターンの組み合わせで構成される「ソング」は100ソングまで記憶できるようになっています。さらにソングを組み合わせた(つなげた)「チェイン」は10個まで登録可能。
 
 
 また、別売りのカートリッジ(KAWAI RC-16)を本体に挿し込めば、カートリッジ側にメモリーすることもできました。

 


R-100/(株)河合楽器製作所 雑誌広告より画像引用
 
 
 

オーディオ出力について

 通常のステレオ・アウトプットに加え、8つの独立したアウトプット端子を装備(→いわゆる8パラ)。個別にミキサーに立ち上げてリバーブなどの空間系エフェクターとつなげて使うと効果的だったでしょう。
 
 
 余談ですが、R-100と同時発売された周辺機器として「MX-8R」というミキサーがありました(以前本ブログでも紹介しています)。2Uラックサイズの8チャンネル・ミキサーということで、KAWAIさんとしては『ぜひ新製品のミキサーも同時にお買い求めください!』といった感じだったのでしょうか(笑)
 
 
 関連記事:「KAWAI MX-8R ~MIDIスルー・ボックスも内蔵した8chミキサー[1986年]
 
 
 

個人的つぶやき

 当時の競合他社ドラムマシンといえば、ヤマハだとRX5、カシオだとRZ-1といったところでしょうか。とにかく80年代は単体のドラムマシンが数多く世に出た、そんな時代でした。
 
 
 R-100は12ビット/32kHzということで、当時としては高音質PCMドラム音源ということでしたが、まあ現代の感覚だとローファイ・サウンドですよね。。本機のサウンドは粗さの中にも “(オケに混ざった時の)音ヌケ”が感じられ、老舗ピアノメーカーが作ったとは思えない存在感あるドラム音が鳴ってくれたと回想します(特にタムのヌケが良い)。
 
 
 本機のみで、ゲートを掛けたいわゆる “80年代風ドラムサウンド”も作れますので(※リバーブ深めに処理するとなお良し)、80年代のドラムサウンドを再現したい方は入手して遊んでみてください。
 
 

仕様
■データフォーマット:12ビット量子化
■サンプリングレート:32kHz
■音源:24音色(バスドラム1/2/3、スネアドラム1/2/3、ハイタム、ミッドタム、ロータム、ハイハットクローズ、ハイハットオープン、ライド1/2、クラッシュ1/2、カウベル、チャイナ、クラップス、シェイカー、アゴゴ、コンガ、タンバリン、ティンバル、クラべス)

■メモリー:パターン最大100、ソング最大100、チェイン最大10
■外形寸法:436(W)×74(H)×251(D)mm
■重量:4.0kg
■価格:99,800円
■発売開始年:1986年

 

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