キーボーディスト、脱初心者を目指す

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CASIO 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.390】CASIO Voice Arranger VA-10 ~ボコーダーでTOKIO!! [1993年]

 今回のキーボードは珍品ですよ! カシオ計算機が1993年初頭に発売した「VA-10」という機種を取り上げてみたいと思います。当時のメーカー希望小売価格は24,000円(税抜)。VAというのは “ボイス・アレンジャー”の略ですね。

 

CASIO VA-10(advertisement)
VA-10/カシオ計算機(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 
 低価格帯であり、ミニ鍵盤およびスピーカーを備えたいわゆる “CASIOのおもちゃ路線”のキーボードの一つなのですが、声を使って遊べるなかなか面白い機能を持っているのが特徴ですね。
 
 
 ちなみに本記事タイトル文の『ボコーダーでTOKIO!!』というのは、本機発売の際メーカー広告にて採用されていた有名なキャッチコピーです。これは言わずもがな、YMO(の「テクノポリス」という曲)を思いっきり意識したものですね(本家から許可を取っていたのかは不明ですが)。
 
 
 

VA-10概要

 マイクを通した自分の声や内蔵音色にエフェクトを掛けられる、スピーカー内蔵・32鍵ミニ鍵盤採用のキーボード。いわゆるカシオトーンの一種と見ることもできます。
 
 
 内蔵している様々なエフェクターの中にはいわゆる “ボコーダー”も収められており、付属のヘッドセット・マイクにより、入力した声(音声)をロボットボイスのように発音させることもできました。
 
 
 

内蔵の音色/リズムについて

 ギター、ピアノなど全100プリセット音色を搭載。音質は低く、今聴いても(おそらく当時でも)相当ローファイです。。同時発音数は6音。
 
 
 なお内蔵リズムは12パターン。一応ロック、ディスコ、ボサノバ(っぽい)感じのパターンが入ってますね。また本機には、演奏したメロディに合わせて自動的にコード伴奏を付けてくれる「ハーモニーアレンジャー機能」なるものも搭載されています。
 
 
 

内蔵エフェクトについて

 全60種類のエフェクトを搭載。一般的なリバーブ、ディレイ、ビブラートなどのほか、デュアルピッチ、ヘビービブラートなど音を劇的に変化させてくれそうなものもいくつか入っていますね。これらはエフェクトコントロールによりエディットも可能となっています。さらにはユーザー領域に記憶もできるそう。
 
 
 そして何といっても本機の売りは “ボコーダー”。まずは適当なプリセット音色を選び、付属のヘッドセットマイクを装着してエフェクター(ボコーダー)を指定。そして鍵盤押さえて声を出せばロボットボイスが出るといった流れです。なお外部入力は別途ちゃんとしたマイクを用意してもよいですね。付属のヘッドセットは相当チャチだったという話は聞きます(笑)
 
 
 

ピッチセンター機能

 付属のヘッドセット・マイクから声の高さを検出し、設定した楽器音を鳴らせるという機能。たとえ鍵盤が弾けなくても、メロディを歌うだけで自動的にトランペットとかの楽器音で演奏してくれるといったところ。本機の広告コピーには “声で弾ける”という表記もありますが、この機能のことを指しているのでしょう。
 
 
 

その他の機能

 記憶容量約1,300音符のメモリー機能を搭載。これは “簡易シーケンサー”といったところ。あと電源周りですが、3方式での電源供給(ACアダプタ、乾電池、車のシガーライター)に対応していました。

 

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かんそう的

 本機をひと言で表すと「安価でとんでもなく手軽なボコーダー」といったところでしょうか。おもちゃと “楽器”の中間的なポジションみたいな一台であり、変な声が出るパーティグッズと捉えればちょっと盛り上がるかもしれませんね。本家の「トキオ~」ボイスがVA-10で再現できたのかは自身で確認したわけではないのですが、あまりそれっぽくならなかったというのは何度か小耳に挟んだことがあります。
 
 
 まあこの価格で音源・エフェクター・スピーカー内蔵、さらにはヘッドセットまで付いてくるということで、音質に関してはとんでもなく粗いのであって、そこは仕方ない感じではあります。。気軽に声を変化させて、遊ぶ。低音質だろうが、構わない。という広い心で向き合えば楽しめると思います(笑)
 
 
 

よだん的な

 本機が発売された1993年初頭といえば、YMOが『再生』(→“散開”から約10年間の沈黙を破ったいわゆる再結成)を発表したタイミングとほぼ同じということになります(YMOの “再生”発表は1993年2月のこと)。
 
 
 ちなみにVA-10発表当時のコピーは『ボイス(声)にエフェクト! ボイス(音色)にエフェクト! 思いのままの表現力!』となっていました。その後、どうやら上記YMOの「再生」が発表されてからコピーも『ボコーダーでTOKIO!!』に変更されたようですね。この辺りのカシオさんの対応力、さすがです(笑)
 
 
 

おまけ感想

 ボコーダー機能もさることながら本機はその外観が愛らしくていいですね~。スピーカー部はほっぺた、鍵盤部は歯のように見えます。これなら小さな子どもも喜ぶと思います(笑)
 
 
 
 関連記事(ハードウェア・ボコーダー):
 「Roland VP-330 Vocoder Plus ~“TOKIO”な名機ボコーダー[1979年]
 「EMS VOCODER 2000 ~70年代発売のロングセラー・アナログ・ボコーダー
 

仕様
■鍵盤:32鍵ミニ鍵盤
■内蔵音色:100音色
■内蔵リズム:12種類
■同時発音数:6音

■メモリー機能:記憶容量約1,300音符
■電源供給:3方式(ACアダプタ、乾電池、車のシガーライター)

■外形寸法:564(W)×63(H)×245(D)mm
■重量:約1.6kg
■発売当時の価格:24,000円
■発売開始年:1993年

 

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