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YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.331】YAMAHA QY100 ~ギタリスト向けに作られた最後のQY [2000~2014年]

2018/03/10

 今回ご紹介する機材はヤマハの「QY100」という音源内蔵ポータブル・シーケンサーです。発売は2000年、当時の定価は59,000円。本ブログでも何度か取り上げさせて頂いているヤマハのシーケンサー「QYシリーズ」の一つですね。そして最後のQYでもあります。

 

YAMAHA QY100

 

 シルバーメタリックのボディはQY70(1997年)に似ていて、実際QY70をベースに開発されたそうです(QY70よりも若干大柄)。そして特筆すべき点はギターをダイレクトに接続できるギター入力端子を標準で搭載している点。では詳しく見てみましょう。
 
 
 

QY100概要

 QY70をベースに、ギター入力端子およびスマートメディア・スロットを装備した音源内蔵ハンディ・シーケンサー。音源部は同社のXG音源を搭載し、547ノーマル音色・22ドラムキットを内蔵。シーケンス部は16シーケンストラック・8パターントラック。本体には多数のバッキング・パターンを収録し、作編曲のサポートツールとしてスピーディに活用可能です。あるいは個人のトレーニング用として使ってもOK。
 
 
 また本体にはPCとダイレクトに接続できるTO HOST端子を備え、QY70と同じく付属のユーティリティソフトでPCとデータをやり取りすることも可能。市販のXG/GMソングデータ集などをスマートメディアにストックしておけば、お気に入りの曲をバックにマイナスワン演奏を楽しむこともできます。
 
 
 

内蔵バッキング・パターンについて

 全8パート(ドラム/ベース/ギター/ピアノなど)で構成されたバンド形態のバッキングパターンを768種類内蔵。ギタープレイのバッキングに最適なロック系をはじめ様々なジャンルがフォローされています。
 
 
 これらパターンを組み合わせ、コード進行を指定するだけで曲のイメージをすぐさま形にできるといった感じですね。また4,285フレーズを組み合わせてオリジナルパターンを作成することもできます。
 
 
 頭の中で漠然と鳴っている曲のアイディアをスピーディに形にできるといった感じであり、バンドメンバーに対して『新曲デモ作ってきたんだけど、こんな感じで弾いて(叩いて)みてくれない?』とか、『どのパターンがいい?』とか、他メンバーに具体的にイメージを提示することができそうです。
 
 
 また本機には「コード・テンプレート機能」というものがあって、99種類の定番コード進行の中からイメージに合ったテンプレートを探すだけで進行を決めることができます。“コード進行(理論)とかよく分からん!”という人にとっては便利な機能という感じ。
 
 
 

シーケンサーについて

 上記のように様々なジャンル・スタイルのテンプレートが用意されており、ラフ・イメージを素早く形にできるのではありますが、さらにより具体的に曲を詰めたい際には、内蔵のシーケンサーによって細かな作り込みも可能です。
 
 
 本機には16トラックのシーケンサー・トラックが用意されており、各楽器パートごとの細かな譜面をステップ入力にて指定していくこともできますね。表示ディスプレイもQY70譲りの比較的大きな液晶画面であり、操作性も悪くないと思いますよ。もちろんMIDI鍵盤を使ってリアルタイム入力することも可(→これはキーボーディスト的発想ですね)
 
 
 

ギター入力端子およびマルチエフェクトを搭載

 QY100にはギター/マイク入力端子を搭載し、インプットしたサウンドを内蔵音源の演奏とミックスして出力可能となっています。本機の大きな特徴ですね。さらにギター/マイク入力専用のマルチエフェクターも搭載。
 
 
 エフェクトタイプは合計23タイプ。内訳は、ギター用として「プリアンプ→リバーブ→コーラス」構成のエフェクトが18タイプ、ボーカル用に「ディレイ→コーラス→リバーブ」構成のエフェクトが5タイプ。好みのものをチョイスできるほか、エディットも可能です。
 
 
 本機とMTRを組み合わせれば、ボーカルやギターを多重録音した本格的なデモ・テープ作りもできるようになるといったところですね。

 

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スマートメディアについて

 本機で動作できるのは3.3V仕様のスマートメディア。スタイルなどQY100オリジナルのデータを始め、SMF<フォーマット0>形式のデータも保存可能です。もしバンドの他メンバーもQY100を持っているというケースでは、データのやり取りにも便利に使えるといったところ。
 

YAMAHA QY100(advertisement)

QY100/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

異例のロングセラー

 2000年末頃に発売されたQY100ですが、なんと2014年まで現行製品として販売されていました。2014年なんてついこの間じゃないですか!(→歳取ると時間の流れが早い)。記憶メディア(スマートメディア™)に関しては、おそらく散々 “時代遅れ”と言われ続けてきたのでしょうが、仕様変更することなく2010年半ばまで製造・販売し続けたヤマハさんのポリシーはすごいですね。。
 

 

 

つぶやき

 QYファミリーとして見れば “ギター向け仕様”ということで、他のQYとは若干毛色が違うといったところですね。実際、広告展開もキーボードマガジンとかではなくギター(あるいはDTM向け)雑誌でよく見られました。しかしなんといっても14年間もの勤続年数(?)を全うしたことが本機の特筆すべき点と言えるでしょう。
 
 
 2000年代初頭といえば急速にPC/インターネットが普及した時代でもありますし、それに伴い音楽制作のスタイルもハード・シーケンサーの時代は終わりを告げようとしていました。ヤマハさんも当時の時代の変化を読み取り、『おそらくこれが最後のQYになる』と開発時から決めていたのだろうと推測します。
 
 
 今日ではソフトウェア・ベースのシーケンサーがシーンのメインストリームとなっていますが、一方で本機のようなポータブルの音源内蔵ハード・シーケンサーの手軽さは貴重だと思います。実際、後継のQYシリーズをリリースして欲しいというユーザーからの声も少なくなかったそう。結果的に、QY100が14年間も頑張ったといったところなのでしょうが。
 
 
 ギター特化仕様はさておき、今の時代向けの汎用音源内蔵ハード・シーケンサーがリリースされれば、一定数のセールスは見込めるのではと個人的には感じます。「QX」→「QY」に続き、次世代機はもちろん「QZシリーズ」で決まりですよねヤマハさん?
 
 
 
 関連記事(ヤマハ シーケンサーQX/QYシリーズ):
 「YAMAHA QX1 ~ヤマハの本格的シーケンサー・シリーズ「QX」第1号機[1984年]
 「YAMAHA QX21(/QX7) ~80年代半ばの低価格MIDIシーケンサー[1985年]
 
 「YAMAHA QY10 ~ベストセラー・ハンディ作曲マシン[1990年頃]
 「YAMAHA QY20 ~大型グラフィック液晶採用のポケット・シーケンサー[1992年]
 「YAMAHA QY22 ~クイック・コンポーザーQY20がGMフル対応に![1995年]
 「YAMAHA QR10 ~QはQでもQR [1993年]」  ※QYシリーズ番外編
 

仕様
■音源方式:AWM2(XG対応)
■最大同時発音数:32音
■プリセット音色:[XG]547ノーマルボイス+[XG]ドラムボイス22キット
 
■パート数:24マルチティンバー
■最大同時録再音数:64音
■音符分解能:♩=480クロック

■記録容量:20ソング(約32,000音)+3デモソング

■バッキングパターン数:768プリセット(128スタイル×6セクション)、384ユーザー(64スタイル×6セクション)
 ※セクション:INTRO/MAIN A/MAIN B/FILL AB/FILL BA/ENDING

■フレーズ数:プリセットフレーズ×4,285、1ユーザースタイルにつきユーザーフレーズ×48
■コードテンプレート:プリセット×99、1ソングにつきユーザー×1
 
■エフェクト:3系統(リバーブ×11、コーラス×11、バリエーション×43)
■アンプ・シミュレーター部:23タイプ(ギター用×18、ボーカル用×5)

■外形寸法:238(W)×48(H)×118(D)mm
■重量:750g(乾電池除く) ※ACアダプタは別売
■発売当時の価格:59,000円(税抜)
■発売開始年:2000年

 

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