キーボーディスト、脱初心者を目指す

ピアノ、シンセサイザー、オルガンとか鍵盤楽器もろもろ。関係ない記事もたまにあるよ

テキスト




その他メーカー 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.313】EMS VOCODER 2000 ~70年代発売のロングセラー・アナログ・ボコーダー

2017/12/06

 今回ご紹介する機材はイギリス・EMS社の「Vocoder2000」というボコーダーです。発売開始は1976~77年頃。Vocoder3000、Vocoder5000という兄弟機もありました。

 

EMS VOCODER 2000

 

 ボコーダーといえば以前本ブログでも紹介した『Roland VP-330 Vocoder Plus ~“TOKIO”な名機ボコーダー』などに代表される、人声をコントロールできるシンセサイザーの一種ですね。これらボコーダーは70年代~80年代初頭に著名なミュージシャンによってこぞって使用しされ、当時の音楽シーンの流行(→テクノブーム)の一つとなったと言っていいと思います。今回のVocoder2000は、70年代のそれらアナログ・ボコーダーを代表する一台としてその名が知られています。
 
 
 ちなみにEMS社といえば、音響系クリエイターから支持されるビンテージ・シンセサイザーを長年作り続けていたことでも知られていますね(どれも超高額ですが)
 
 
 

Vocoder2000の特徴

 基本設計は、入力された人声などを16バンド・フィルターでフォルマント解析し、外部入力されたシンセ等の信号をVCF(16バンド・シンセサイザー・フィルター)とVCAで変調を加えるというもの。
 
うーん。。難しいですね。。僕自身完璧に理解できているわけではありません。
 
 
 フィルターは2つあって、簡単に言うと前者は「分析用(→アナリシス)」、後者は「合成用(→シンセサイズ)」ということらしいです。とりあえずこれだけは僕にも何となく理解できました(笑)
 
 
 「アナリシス(解析)・フィルター」は16バンドからなり、20Hz~18kHZまでという音響スペクトルのほぼ全域をカバーする仕様となっているそう。これら2つのフィルターは30dB/octのアナログ・フィルターであり、S/N比78dBというロー・ノイズを実現しているとのことです。
 
 
 なお本機にはVCO(オシレーター)も内蔵しています。これは同社の初期シンセの傑作「VCS3」と同型のものを採用しているとのことで、独特の太い質感に定評がありました。1基はパルス波のジェネレーター、もう1基はホワイトノイズ・ジェネレーターであり、それぞれ0~1kHzの範囲で周波数レベルの可変が可能。こちらのノイズ音源はサウンドの質感にざらつきを与える音楽的なノイズですね。
 

EMS VOCODER 2000

 こちらがパネル上のオシレーター・セクション。ノイズ・レベル、オシレーター・レベル、オシレーター・ピッチの各ノブが確認できます。
 
 
 

他機能

 アウトプット・セレクトにて、SPEECH、EXCITATION(エキサイテーション)、VOCODERの3つのモードからいずれかを選択可能。「SLEW RATE(スルー・レイト)」をコントロールすることによりわざとサウンドを不鮮明ににじませることができたり、「VOICED/UNVOICED DETECTOR」により有声音と無声音を検知し明瞭なサウンドにすることもできました。
 
 
 

異例のロングセラー

 70年代後半に発売が開始された本機ですが、割と近年(2000年代)まで生産が続けられていたロングセラー機でもあります。
 
 

EMS VOCODER 2000

 
 90年代以降にリリースされたユニットでは、上画像のように黒パネルに変更されているのが特徴。ぱっと見たところ、VUメーターの代わりに独立7セグメントのLEDバー・グラフが配置されているなど、いくつか違いがありそうです。
 

EMS VOCODER 2000

同じくオシレーター・セクション。つまみのゼロ位置が変更されていますね。
 
 
 

つぶやき的な

 “アナログ・ボコーダーの作り”という自身へのお勉強も兼ねて今回VOCODER 2000を取り上げてみました。うーん、僕自身理解できていない部分もあったりして申し訳ありません。。
 
 
 ボコーダー自体は70年代に多用されまくっていて、その後衰退したり再注目を集めたりといった感じで今日でも現行製品が見られるのですが(Roland VP-03など)、70年代当時のアナログ・ボコーダーは現在のデジタル・ボコーダーとは全く異なるサウンド・キャラクターを有しているとのこと。
 

 
 
 現在こういったビンテージ・ボコーダーを目にすることは極めてまれなのですが、もし機会があれば試してみてはいかがでしょうか。そして僕に色々と教えてください。
 
 
 
 関連記事:「EMS Polysynthi ~モダンで奇抜な “幻のシンセ” [1979年]
 

仕様
■入力:マイク5.6KΩ(最大 200mV)、ライン10kΩ(10V)
■出力/+16dB/40Ω(アンバランス)
■アウトプット・セレクト:SPEECH、EXCITATION、VOCODER
■フィルター・バンク:
 16チャンネル・アナライジング・フィルター
 16チャンネル・シンセサイズ・フィルター
■フィルター・カットオフ:30dB/oct
■周波数特性:20Hz~18kHz
■内蔵エキサイテーション(エキサイター):ホワイト・ノイズ・ジェネレーター、パルス・オシレーター
■SN比:78sB(ゲイティング・オフ時)

■外形寸法:482(W)×87(H)×444(D)mm
■重量:5.0kg
■発売開始年:1976~77年頃

 

関連記事および広告

関連記事および広告


-その他メーカー, 楽器・機材【Vol.〇〇】