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1990年代'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.273】YAMAHA TG77 ~SY77の音源モジュール版[1990年]

2018/07/01

 今回ご紹介するシンセサイザーは、1990年にヤマハから発売された「TG77」です。定価は200,000円。これは何かと言うと、同社の鍵盤付きシンセサイザー・SY77のいわゆるラック版ですね。SY77と完全互換のRCM音源部を、3Uのラックサイズに収めた音源モジュールとなっています。

 

YAMAHA TG77

 

 TG77は内容的には、SY77から鍵盤部とシーケンサーとFDDを取り除いたものと考えてよいです。なおSY77については以前本ブログでも取り上げているので、音源仕様についてはそちらの記事をご参照ください。本記事では相違点を中心に記述してみたいと思います。
 
 関連記事:「YAMAHA SY77 ~2つの音源を持つオールインワン・シンセ[1989年]
 
 
 

TG77の基本仕様

 AWM2とAFMを組み合わせたハイブリッド音色合成が可能なRCM音源方式を採用。AWM2というのはPCM音源方式の一種であり、AFMというのはFM音源の一種ですね。なおパラメーター構成などはSY77と全く同じであり、最大同時発音数32(AWM2=16音、AFM=16音)、 マルチティンバー数(最大16パート)、デジタルマルチエフェクト(2系統×44種)も同じです。
 
 
 ただしTG77はSY77リリースの翌年に発売されたということもあり、内蔵のプリセット・ボイス(128音色)には若干の変更が加えられているそうです。SY77で評判の高かったボイス(音色)は残され、新たに “RCM音源”の可能性を追求した独自のボイスが追加されているとのこと。
 
 
 これら音色はSY77同様に、AWM2とAFMを駆使して音色合成をしたり、デジタル・フィルターを掛けたり、はたまたサンプル波形をモジュレーション・ソースに用いたFM変調を行ったりもできます。
 
 
 

8パラ・アウトを装備

 本機ではスタジオにてマルチティンバー機能を生かせるようにという配慮からか、8系統の独立アウトプット(出力)端子をリアパネルに備えています。これは外部のエフェクターやミキサーでミックス処理をするのに便利だったと思われます(→SY77ではステレオ2系統だった)
 
 
 

ボイス・アロケーション機能について

 SY77では、マルチティンバーでの再生時に同時発音数を気にせずにマルチを組める「DVA(ダイナミック・ボイス・アロケーション)」機能を搭載していましたが、TG77ではそれに加え「SVA(スタティック・ボイス・アロケーション)」という機能も追加されています。これは緻密な音符で組み込まれた細かなシーケンス・データもスムーズに再生できるという触れ込みでした。

 

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SY77用サウンド・カードも使える

 SY77の音色データおよび波形データはTG77とも互換性があるので、SY77用の音色ROMカード/波形ROMカードをそのまま使用することができました。またTG77向けのボイスデータ・カードもいくつか発売されました。
 
 
 ちなみにSY77ではカードスロットだけではなく3.5'FDDも装備していたため、いわゆるフロッピーディスクで供給されるサウンド・ライブラリーもありました。フロッピーの方はコストが安くお手頃感があったのですが、ROMカード版のライブラリーとなるとやはり若干高くつくといった感じでしたね(1タイトル当たりおおよそ1万円~1万4000円)
 

YAMAHA TG77(advertisement)
TG77/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 SY77の音源仕様を簡素化させることなくそのままラック・モジュール化したということで、既にSY77を使いこなしていて『音源部だけもう一台欲しい!』という人などにとってはうってつけの製品だったかもしれません。既にいくつか出回っていたSY77用のサウンド・ライブラリー(カード)がそのまま使用できるというのもGOODだったと思います。また、本格的なスタジオ・ワークでのユースも意識したいわばプロ向けの機材だったと捉えることもできそうです。
 
 
 生楽器系(→AWM2)の音のクオリティは今聴くと何ともチープな雰囲気ですが、まあこの時代のPCM系の音と言えばこんな感じであり、個人的には古き良き懐かしさ(?)を感じます。
 
 
 ただ、3Uはデカいだろ…と思ってしまうんですよねぇ。個人的には90年代後半に中古としてたまに店頭で目にすることもあったTG77ですが、ローランドで言うところのD-550やJD-990のようにせめて2Uにならなかったのだろうか、とかは感じてました。まあSY77と同等の大型LCDディスプレイを採用しているから致し方無いところでしょうか。。
 
 
 
 関連記事(ヤマハTGシリーズ):
 「YAMAHA TG55 ~新音源AWM2を搭載したモジュール版SY55 [1989年]
 「YAMAHA TG100 ~ヤマハ最初期のGM対応DTM音源モジュール[1992年]
 「YAMAHA TG300 ~XG発表前に発売された本格派DTM音源機[1993年]
 

仕様
■音源:RCM方式(AWM2+AFM)
■最大同時発音数:32(AWM2:16音/AFM:16音)
■マルチティンバー数:最大16
■プリセットメモリー:128ボイス+16マルチ
■インターナルメモリー:64ボイス+16マルチ
■外部メモリー:カードスロット×2(音色データ用、波形データ用)
■デジタルマルチエフェクト:2系統・44プログラム(リバーブ系40+モジュレーション系4)
■LCDディスプレイ:240×64ドット(バックライト付き)
■外形寸法:480(W)×132(H)×390(D)mm
■重量:8kg
■価格:200,000円
■発売開始年:1990年

 

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