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CASIO 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.260】CASIO WK-3500 ~多機能・低価格な2000年代ポップ・キーボードの秀作

2018/02/19

 今回取り上げてみるキーボードは、カシオが2003年秋に発売した「WK-3500」という機種です。定価は76,000円。これは見た目からしてポップ・キーボード然としたポップ・キーボードですね。まあいわゆるファミリー・キーボードとも呼ばれる、おもちゃ感覚で手軽に扱えるキーボードのカテゴリーです。

 

CASIO WK-3500

 

 あくまで推測ですが、本機は以前本ブログでも紹介した「WK-3700」の先代モデルといったところでしょう(型番も近いし)。WK-3700はそのルックスを裏切る非常に多彩な機能から、当時立ち上げたばかりの本ブログにおいて勢いで記事に上げたことを記憶しています。今回はじっくりと、その前身であろうWK-3500について記してみたいと思います。
 
 
 

概要

 演奏性の高い76鍵仕様で、様々な音楽タイプに対応可能な音色・機能を備えたキーボード。電池稼働も可能であり(→単1乾電池×6本)、ステレオ2WAY・バスレフ・スピーカーまで内蔵しているのですぐに音を出すことができます。
 
 
 搭載音色は、GM音色配列を含め全790種類。すぐに演奏できるピアノ系の音色はもちろんのこと、エレピ、オルガンなど使用頻度の高い鍵盤系音色も数多く内蔵。さらにポップ・キーボードでは珍しい音色エディット機能(オルガンではデジタル・ドローバーによる音色作りモード)もある程度備えており、音作りまで積極的に行える仕様となっています。
 
 
 

音源について

 WK-3500では、当時のカシオ独自開発による音源方式「ZPI(Zygotech Polynomial Interpolation)」を採用。これは何かというと、サンプリングした波形を高度な圧縮技術などにより、原音に忠実なデジタル波形として再現するためのサウンド・エンジンだそう。
 
 
 
また内蔵音色はエディット(シンセサイズ)が可能。どんなパラメーターがコントロールできるかはおおまかに以下の通り。

●アタック・タイム●リリース・タイム●レゾナンス●カットオフ・フリケンシー●ビブラート(DEPTH/RATE等)●オクターブ・シフト●タッチセンス etc..

 
 種類は多くありませんが、アタック/リリース・タイムやビブラート(→ピッチLFO)の調整ができるのはちょっと便利ですよね。フィルター方面の操作ができるのも面白いと思います。もちろん作った音色は本体内のユーザー領域に記憶可能。あとシンセサイザーならではのピッチ・ホイール、モジュレーション・ホイールもちゃんと装備しています。
 
 
 

ドローバー・オルガン・モードについて

 本モードにすると、9本のデジタル・ドローバーによる音色作りが可能になります。これはWK-3700の記事でも記しましたが、このクラスのファミリー・キーボードに搭載されている自体が驚きですね!
 
 
 ドローバー・セッティングは50種類のプリセットを内蔵しており、さらにクリック、パーカッションまでフォローしています。それらを操作して作ったオリジナル・オルガン音色は、本体内に100音色までメモリーすることが可能。ちなみに本機には数多くのデジタル・エフェクターも内蔵しており、定番のリバーブ/コーラスをはじめ、レスリー・シミュレーターなども収めているというなかなかの凝りようです。
 
 

 

 

作曲ツールとして

 本機では6トラック(最大5曲・合計約10,000音符)までのちょっとしたシーケンサーが内蔵されており、ラフなデモ・トラック作りにも重宝します。16chのミキサーを内蔵しており、音色ごとにボリュームやPANを設定したりエフェクターをかけたりといったことも可能です。
 
 
 またカシオさんお得意の “自動伴奏機能”も装備。計140種類ものリズム・プリセット(ロック、ジャズなど)の中から好みのスタイルを選んで、シーケンサーに取り込むことも可能となっています。
 
 
 

外部メモリー/PCとの連携について

 本機ではスマート・メディア・スロットおよびフロッピー・ディスク・ドライブ(3.5')を装備。作成したソング・データはそれらメディアを介してPCに移動することができますね。
 
 
 また当時は『CASIO MUSIC SITE』というカシオさんの専用サイトから音楽データをPCへダウンロードし、さらにWK-3500にデータを移動させることにより演奏を楽しむといった使い方もできたそうです。
 

CASIO WK-3500(advertisement)
WK-3500/カシオ計算機(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 本機の多機能ぶりは、従来のポップ・キーボードの概念を覆す非常に充実した内容となっていると思います。76鍵でステレオ・スピーカーも搭載してわずか10kgあまりという超軽量! そしてこの低価格。音の存在感とかリアルさとかはさておき(さておくのか!?)、個人的にはなかなかのコスパだと思いますよ。
 
 
 『スピーカー内蔵で電池でも動いて、10kgくらいで収まる路上ライブ用のキーボードを探してるんだよね。でも61鍵だと(ピアノの)バラード曲の演奏がちょっと不自由だからもう1オクターブは欲しいところ。できれば安くて色んな音が入っているのがいいな~。そんな都合のいい鍵盤ないかなぁ~』
 
 というストリート・ミュージシャンの皆さん、お探しのキーボードがあるかもですよ(ちょっと古いけど)
 
 

仕様
■鍵盤:76鍵
■最大同時発音数:32音
■内蔵音色:合計790音色
 300アドバンスト音色+128GM音色+72バリエーション音色+16ドラム音色+100ユーザー音色+20波形付きユーザー音色+4波形付きユーザー・ドラム音色+50ドローバーオルガン音色+100ユーザー・ドローバーオルガン音色
■ソングメモリー機能:5曲(6トラック、約10,000音 ※5曲合計)
■エフェクト:DSP×200、リバーブ×16、コーラス×16

■リズム・プリセット:140種類
■スピーカー:12cm+5cm(2Way)×2、バスレフ

■外形寸法:1223(W)×160(H)×423(D)mm
■重量:約10.6kg(乾電池含む)
■発売当初の定価:76,000円

 

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