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その他メーカー 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.222】CHROMA Polaris II ~Polarisが大幅コストダウンで入手しやすく![1985年]

2018/03/09

 今回の注目シンセは、CHROMAというブランドからリリースされた「Polaris(ポラリス)II」というモデルです。発売は1985年。当時の日本での販売価格は298,000円でした。

 

CHROMA Polaris II

 

 これは以前本ブログでも紹介した「CHROMA Polaris」(1984年)の後継機に当たるものですね。機能的・デザイン的には前機種とほぼ変わっていないのですが、大幅な値下げを実現しているのが購入者からすれば大きなポイントだったと言えるでしょう。以下、Polarisのそれと重複する記事も多少ありますが説明していきたいと思います(音源部、VCF、EGなどについてはPolarisの記事をご参照ください)
 
 
 
 関連記事(ARPおよびChroma方面):
 「CHROMA Polaris ~RHODES Chromaのコンセプトを受け継いだアナログシンセ
 
 「RHODES(ARP) Chroma ~ARP社衰亡の淵から這い上がって発売されたシンセ…
 「RHODES(ARP) Chroma ~【その2】発売までの経緯、およびARP社の歴史
 
 
 

概要

 ARPの流れを汲む、重厚かつ広がりのあるサウンドで評価が高かった「CHROMA Polaris」のセカンド・バージョン。2VCO、6ボイスのアナログ・ポリフォニック・シンセサイザー。当時規定されたばかりのMIDIを搭載し、リアルタイム・シーケンサーも内蔵。豊富な本体機能に加え、MIDI方面の充実や独自のインターフェイスによって他鍵盤のマスターキーボードにもなりえる、充実のハード性能を誇っていました。
 
 
 

MIDI機能について

 本機では、「メイン」「リンク(→一般的なレイヤーの意味)」「シーケンサー」の3セクションが、それぞれ別のMIDIチャンネルで送受信が可能となっています。「メイン」をチャンネル1とすると、「リンク」はチャンネル2(=メイン+1)、「シーケンサー」はチャンネル3(=メイン+2)に自動設定されます。
 
 
 これで何ができるかというと、例えばMIDI音源モジュールをPolarisにつないでユニゾン(レイヤー)で演奏し、他のMIDI音源モジュールをPolaris内蔵のシーケンサーのスレーブ用として使うといったこともできます。シーケンサーをバックに、レイヤー(あるいはスプリット)された音源を手弾きできるということですね。3台のポリシンセをコントロール可能といった感じです。
 
 
 今となっては当たり前のようなこういった機能ですが、MIDI規格がスタートして間もない当時の時代を考えれば、Polarisは充実したMIDIインターフェイスを装備していたと言えるでしょう。なおMIDI OUTとTHRU端子は共用となっています。
 
 
 

シンク機能について

 シンク機能は、内部、外部MIDI、SYNC INからのクロックの中から任意にマスターを選ぶことができます。リアパネルにはSYNC端子(INおよびOUTそれぞれ)が装備されており、SYNC IN(→タイムベース)からはクロックのレベル調節や、シンク信号のポラリティの選択もできるそうです。ちなみにタイムベースは♩=12~192まで設定が可能。
 
 
 当時のキーボードとしては “いかに多くの機器と同期を取れるか”というのも重要でしたし、そういった点からも本機の外部インターフェイスはよく考えられていると思います。

 

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外観について

 無印Polarisのデザインと比較すると、パネルの色使いがちょっと変更されているだけといったところでしょう。外寸および重量は全く同じですね。相変わらず(61鍵の割に)非常に重いです。。
 
 
 

価格について

 機能的に大きな変更点は見られない前年の「無印Polaris」と比べ、398,000円→298,000円と大幅なコストダウンがなされています。これは使用されている部品が日本でも確保でき、国内の工場にて生産できるようになったからだそうです。

 

CHROMA Polaris II(advertisement)
CHROMA Polaris II/フェンダージャパン(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

個人的おもひで

 この機種は僕がシンセ専門店に勤めていた頃に一度だけ下取りしたことがあって、個人的にはちょっと思い出深いマシンとなっています。既に相当調子が悪い状態で(ほぼ無料で)引き取って、しばらく放置しておいたら完全に壊れました(笑)。そう、このPolaris II(およびPolaris)は非常に壊れやすいことで有名なのです!
 
 
 一応メーカーに修理を依頼しようとしたのだけど、見積もり段階で “修理不可能”宣告を突き付けられまして、社長から「自力で治してみてよ」という無茶ぶりまで頂きました(泣)。どうやら操作パネルと基板を接続するフィルムケーブルが劣化するのがこのシンセのよくある故障原因らしいですね。分解自体も難しく、基板にたどり着くまでにひどく難儀した記憶があります。これって一販売員が修理できるレベルじゃないっすよ、社長さん。。
 
 
 

まとめ的な

 メーカー名や機種名にはARPの文字は見られませんが、事実上の「ARP(直系)最後のシンセサイザー」といえるのかもしれません(まあARP Odysseyも近年KORGによって復刻されてはいるのですが。。)
 
 
 1984年当時としては、既に前年のDX7(FM音源)が世界を席巻していたので、価格は下がったとはいえ「時代遅れのアナログシンセ」というイメージは拭いきれなかったように思います。また一般的には「ギターで有名なフェンダーが出したシンセ」ということで注目度もいまいちでした。
 
 
 音自体は実にARPっぽいし、もうちょっと壊れにくくて軽ければ復刻版の開発を検討してもいいのではと感じなくもないです。でもやっぱり無理でしょKORGさん?(笑)
 
 

仕様
■鍵盤:61鍵(ベロシティ・センス付き)
■同時発音数:6ボイス
■構成:VCO×2、VCF×1、EG×2(※VCF用とVCA用)
■音色メモリー数:132
■外形寸法:1010(W)×114(H)×375(D)mm
■重量:18.2kg
■発売当時の価格:298,000円
■発表年:1985年

 

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