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その他メーカー 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.221】CHROMA Polaris ~RHODES Chromaのコンセプトを受け継いだアナログシンセ[1984年]

2018/03/09

 今回ご紹介するシンセサイザーは、CHROMAというブランドからリリースされた「Polaris(ポラリス)」というモデルです。発売は1984年。当時の日本での販売価格は398,000円でした。

 

CHROMA Polaris

 

 これは以前本ブログでも紹介した「RHODES Chroma」の血統を受け継ぎつつも、ローコストとスリム化(軽量化)を実現した普及版モデルといった内容となっています。全体的な音色のキャラクターとしてはやはりARPに近いですね。ちなみにポラリスとは「北極星」の意味らしいです。
 
 
 関連記事(ARPおよびChroma方面):
 「RHODES(ARP) Chroma ~ARP社衰亡の淵から這い上がって発売されたシンセ…
 「RHODES(ARP) Chroma ~【その2】発売までの経緯、およびARP社の歴史
 「CHROMA Polaris II ~Polarisが大幅コストダウンで入手しやすく![1985年]
 
 
 

概要

 ARPの流れを汲む2VCOのアナログ・シンセサイザー。当時規定されたばかりのMIDIを搭載し、まだ珍しかったコンピューター用インターフェイスまで装備しています。またリアルタイム・シーケンサーも内蔵。豊富な本体機能に加え、MIDIや独自の「クローマ・インターフェイス」によって他鍵盤のマスターキーボードにもなりえる、充実のハード性能を誇っていました。
 
 
 

音源部について

 当時先進の16ビットCPUを採用した6ボイス・ポリフォニック・シンセサイザー。1ボイス当たり2オシレーターを割り当てるので、分厚い音も出すことができます。なお6音以上の鍵盤を押した場合でも、和音を構成する上で重量な音はそのまま残す「ダイナミック・ボイス・アロケーション機能」も搭載。
 
 
 2基のオシレーターはアナログであり、OSC1にはリング・モジュレーション(→金属系サウンドを作る時などに使う)スイッチなどが設けられています。OSC2にはSYNCというスイッチが設けられており、これは要するに2基のOSCでの「オシレーター・シンク」のこと。OSC2がOSC1に同期(シンク)します。上記のリング・モジュレーションと併用することでかなりトリッキーな音色を作ることもできそうですね。本機のモジュレーション方面の設定の自由度はなかなかのものと言えるでしょう。
 
 
 他にも、独立したノイズ・オシレーター(→ピンクノイズ生成)も搭載されています。
 
 
 

フィルター部について

 ARP譲りの、太く切れのいい4-pole・ローパスフィルターを(1基)搭載。カットオフおよびレゾナンスのスライダーもパネル上に配されています。

 

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エンベロープ・ジェネレーターについて

 鍵盤タッチの強弱による変化を音に反映するエンベロープは2つ用意されていて、それぞれVCF専用、VCA専用となっています。両エンベロープとも独立しているため表現のための使い勝手はいいですね。
 
 
 フィルター・エンベロープは「A.D.S.D.R.」式。このエンベロープ・ジェネレーターは、VCFパラメーターの一つ「ENV DEPTH」と一緒に使うことによりメイン・エンベロープ・ジェネレーターとして機能し、音色変化の設定を細かく行うことができます。
 
 
 フィルターの減衰ポイントが多点で設けられるということで、打楽器音のリアルなシミュレーションなどに効果を発揮します。通常のSUSTAINとRELEASEの間にSUSTAIN DECAYというのが挟まってますね。
 
 あとボリューム・エンベロープですが、こちらは「A.D.R.(ATACK/DECAY/RELEASE)式」となっています。
 
 
 

外観について

 タッチ・シート式のボタンと、縦方向スライダーが組み合わさったパネル構成。一見、“80年代デジタルシンセ”ぽい容貌なのですが、前述したように本機はアナログです。
 
 
 ちなみに本機のスライダーのストロークは非常に短いのが特徴ですね。スペース的には十分にあるのだと思うのだけど、なぜこんな短ストロークにしちゃったのかはちょっと謎です。。
 
 
 あと外観とは関係ないけど、本体は61鍵の割にメチャ重いです。ハードケース込みだと軽く20kg超えですね。。
 

CHROMA Polaris(advertisement)
CHROMA Polaris/フェンダージャパン(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 本機Polarisは、RHODES Chromaの生みの親とも言われる元ARP社のエンジニア、フィリップ・ドッズ氏が、CBS社(の楽器部門だったフェンダー)を去った後に設計・製作されたものです。とはいえ仕様のアイディアはドッズ氏が提供したとされ、そのため今日でも “名機CHROMAの血を引く”と書かれることが多いのかもしれません。
 
 
 ちなみにドッズ氏のエピソードには続きがあって、『PolarisはChroma(→楽器の方)の副産物である』とまで言ったそう。一般的なユーザーにとっては軽量・安価・高性能な “血統書付きシンセ”は歓迎するところではありますが、ドッズ氏にとってはあくまで “おまけ”という位置付けに過ぎなかったのかもしれません。。
 
 
 さてそのPolarisは後継機である「Polaris II」へと続きます。とはいえ IIの方も基本仕様はほぼ変わっていないですね。別記事にしてありますので気が向いたら読んでみてください。
 
 
 
 関連記事:「CHROMA Polaris II ~Polarisが大幅コストダウンで入手しやすく![1985年]
 

仕様
■鍵盤:61鍵(ベロシティ・センス付き)
■同時発音数:6ボイス
■構成:VCO×2、VCF×1、EG×2(※VCF用とVCA用)
■音色メモリー数:132
■外形寸法:1010(W)×114(H)×375(D)mm
■重量:18.2kg
■発売当時の価格:398,000円
■発表年:1984年

 

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