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1970~80年代'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.215】YAMAHA CS01(/CS01II) ~ブレスコントローラー搭載! ミニ鍵盤の80年代アナログシンセ[1982年]

2018/07/01

 今回取り上げてみるシンセサイザーは、1982年にヤマハから発売された「CS01」です。当時の定価は32,000円。
 
 
 70年代後半から80年代にかけ数多くリリースされた同社のアナログシンセ群・CSシリーズですが、本機CS01は若干毛色が異なる感じですね。どちらかというとカシオトーンに近いイメージです。カラーは当初グレーのみでしたが、後にブラックとホワイトも(限定で)登場しました。

 

YAMAHA CS01

 

 音といいルックスといい、それまでのCSシリーズらしからぬ軽薄なイメージです(笑)。でも中身はれっきとしたアナログシンセ。ちゃんとラインで出力すれば(音色によっては)そこそこいい音がするのです。チック・コリアがライブでショルダー・プレイしていたというのも有名ですね。
 
 
 なお、アナログ仕様のヤマハCSシリーズの全ラインナップは、本ブログ別記事「YAMAHA CS10 ~1977年発売の低価格CSシリーズ・モデル」にまとめてありますので興味があればご参照ください。
 
 
 

CS01概要

 ミニ鍵盤(32鍵)を採用しスピーカー(2W×1個)も内蔵することで、より気軽にアナログ・シンセサイザーの演奏が楽しめるようになったコンパクトモデル。本体は電池駆動も可能で、ショルダーキーボードとしての使用を想定したストラップ・ピンが付いていることも特徴的。
 
 
 なお当時のショルダーキーボードといえばまだ高価で(しかも音源を内蔵していないものが大半)、なおかつそこそこ重かったものがほとんどでした。そこで登場した本機は1.5kgという超軽量! かつ32,000円という非常に安価な価格設定だったということもあり、ミニとはいえ当時大いに話題になりました。
 
 
 

基本構成

 構成は「1VCO、1VCF、1VCA、1EG」となっており、同時発音数は1音。各パラメーターは、パネルに配された分かりやすいスライダーにより直感的な音色エディットが可能です。音作りの自由度は高いとは言えませんが、アナログシンセ初心者には非常にとっつきやすい設計だったと思います。また専用のブレスコントローラーを装備することもできます(→後述します)
 
 
 

音作りについて

 VCOは5種類の波形を選択可能で、PWMについてはスライダーでスピード可変もOK。VCFはローパスフィルター(12dB)、レゾナンス(発振はしない)、EGデプスを装備。EGはオーソドックスなADSRタイプです。
 
 
 出音はというとやはり全体的にチープですね。。こういうぺらぺらなジャンク・サウンドがたまらなく好き! という人にとってはたまらなくいい音でしょう(笑)。ただしシンセ・ベースには音の太さに定評があり、レゲエミュージシャンからの人気が集中した時代もありました。
 

YAMAHA CS01(advertisement)
CS01/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

操作系について

PITCH BEND

 ショルダー・プレーを想定してなのか、(肩から下げた際に)手前ではなく奥側に配されています。ちなみにこのピッチ・ベンド(ホイール)は上方向にしか動きません。つまりベンドアップのみということですね。またベンド幅も変更できません。まあ本機は廉価モデルですし、ある程度の割り切りは必要だったでしょう。
 
 

MODULATION

 VCO/VCFの切り替えスイッチがあり、モジュレーションをどちらに掛けるかを選択可能。いわゆるビブラートかワウワウかが選べるわけですね。このホイールもピッチ・ベンド同様、本体左上部に設置されています。
 
 

BREATH CONTROLER

 別売りのブレスコントローラー(YAMAHA BC-1。定価2,000円)を使えば、息を吹き込む量により音量またはフィルターのコントロールが可能になります。かかり具合は本体のBREATH CONLTROLダイヤルで(VCA/VCFそれぞれ)調節できますね。特にシンセ・サックスなどの管楽器の演奏時に絶妙な表現力を発揮します。
 
 
 ブレス方式はヤマハの得意とするコントローラー形態であり、僕の記憶が確かならばブレスコントローラーが登場したのは本機が世界初だったと思います。CS01最大のセールスポイントと言っていいと思います。
 
 
 当時はTHE SQUAREやカシオペアなどのフュージョンも流行ってましたし、AKAIなどの高級ウィンドシンセを買えない少年たちは、本機を使って伊東たけしになりきっていたのかもしれません(笑)


YAMAHA CS01(advertisement)
CS01/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

MIDIとかCVとか

 MIDIは未実装。またCV/GATEも付いていないため、打ち込み用としては基本的に使用できませんでした。あくまで「パフォーマンスをするためのキーボード」といった印象ですね。

 

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CS01 II について

YAMAHA CS01 II

 

 CS01 mkIIと表記されることもあります。内容的にはフィルターのカットオフの仕様が一部変更されている、いわば “CS01のマイナーチェンジ版”。これによりローパスフィルターが24dB化され、レゾナンスも切替スイッチ(H/L)から無段階に変更されました。日本では未発売だったそうです。
 
 
 

つぶやき

 ショルダー用途としての細かいこだわりが随所に見られますね。例えばCS01 IIは、スピーカーに印刷されている “YAMAHA”の文字が逆になっていて、これはショルダースタイルで客側から見た際、文字が正面にくるようにという工夫らしいです。惜しむらくはローランドSH-101のように後付けグリップがないところでしょうか。。
 
 
 2006年にはCS01のサウンドをエミュレートしたフリーVSTiの『HAHAHA CS01』がリリースされて、一部では話題になりましたね(それにしてもナメたネーミングだ)。いわゆるWindowsXPの時代のソフトであり、現在でも入手(ダウンロード)可能なのか、また今どきのWindows10でも動作するかどうかは未確認です。あしからずです。
 
 
 
 関連記事(ヤマハCSシリーズ):
 「YAMAHA CS10 ~1977年発売の低価格CSシリーズ・モデル
 「YAMAHA CS15 ~CS10の演奏性をベースにさらにグレードアップ[1978年]
 「YAMAHA CS15D ~プリセット+シンセサイザーのライブ向けキーボード[1979年]
 「YAMAHA CS70M ~アナログCSシリーズ後期のトップエンド・モデル[1981年]
 「YAMAHA CS1x  ~グルーヴィにつまみを回せ![1996年]」 →平成のCS
 

仕様
■鍵盤:32鍵ミニ鍵盤
■最大同時発音数:1音
■構成:1VCO+1VCF+1VCA、1EG(A/D/S/R)
■外形寸法:489(W)×36(H)×160(D)mm
■重量:1.5kg
■発売当時の価格:32,000円
■発売年:1982年

 

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