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ENSONIQ 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.195】ENSONIQ Mirage DMS-8 ~ラックになったミラージュ[1985年頃]

2018/03/09

 今回ご紹介する機材は、ENSONIQのサンプラー「Mirage(ミラージュ)DMS-8」です。発売は1985~86年頃。日本での定価は318,000円でした。以前本ブログでも紹介した「ENSONIQ Mirage (DSK-8)」のキーボードを取ったもの(=ラック版)と見て間違いないのですが、オプション類が進化しており、全体的な使いやすさは向上していると思われます。
 
 
 

DMS-8概要

 ハイコストパフォーマンスで人気を得たサンプリング・キーボード「Mirage DSK-8」から、鍵盤部を除いたほぼ全てのファンクションを受け継いだ、2Uラック型のマルチ・サンプラー。従来のDSK-8とのデータとは完全互換があり、100枚以上(ディスク単位)もの豊富なサウンドライブラリーもそのまま継承されます。

 

ENSONIQ Mirage DMS-8

 

基本仕様

 ビット数は8ビット。サンプリング周波数は33.3kHzですが、後述するオプション(ISF-1)装着時は50kHzまでカバーします。同時発音数は8音(ポリフォニック)なのですが、音色自体は本体内に16音までストアしておくことができます。基本的にDSK-8の機能は完全に継承しており、3.5インチFDD、シーケンサーも内蔵しています。
 
 
 1986年当時のスペックとしては8ビットはやや少ない(当時は12~16ビットが主流だった)のですが、アナログ・シーケンサー譲りのVCF、VCAなどによりダイナミック・レンジの狭さをカバーしています。何より、Max50kHzのサンプリング・レートは、当時のこの価格帯の機種としては非常に優秀だったと言えるでしょう。
 
 
 

サンプリング機能は?

 前述したように、本機はDSK-8の機能を踏襲していますので、詳しくは本ブログ内記事「ENSONIQ Mirage (DSK-8) ~「幻想」ではない、黎明期サンプラーのロー・コスト・モデル」をご参照ください。
 
 
 なおDSK-8の初リリース時と比較してオペレーション・システムのバージョンアップが図られており、特に外部からのMIDIコントロールが充実している感じですね。アフタータッチ・プレッシャーは「チャンネル・プレッシャー」「ポリフォニック・プレッシャー」の2モードを持ち、ブレス・コントローラーやフットペダルによるモジュレーション・コントロールなどもより簡単に行えるようになっています。
 
 
 ただしエディット操作そのものについては、ディスプレイ表示領域が「2けたの電卓」(7セグメント×2)程度の情報しか表示されないので、本体のみではかなりやりにくいですね。。この辺りはDSK-8と同様です。
 
 
 

ミックス・モードについて

 このモードをオンにすると、16種のサンプル波形を1鍵盤に2つずつ割り当てることが可能になります。この2つのサンプル波形(WAVE SAMPLE 1/2)はキー・プレッシャー(鍵盤を押す力)によってミックス具合を調整することができるので、あらかじめピッチの微妙に異なる同音色を仕込んでおいて、リアルタイムでデチューンをコントロールするなんて使い方もできそうです。

 

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「MASOS(メーゾス)」というソフトについて(オプション)

 MASOSMirage Advanced Samplers Operation System】とは、拡張エディット機能を備えた言わばミラージュ上級ユーザーのための別売りソフトのこと。3.5インチディスクで供給され、定価は確か6,000円。これは初代Mirage(DSK-8)の頃からあったのですが、DMS-8発売時のMASOSはApple IIeをはじめPC-8801などにも対応し、内部ソフト的にバージョンアップが施されているようです。
 

ENSONIQ MASOS

 

MASOSでできる細かなエディットについて

 音のフェードイン、フェードアウト、2つの波形のクロスフェード、はたまたルーピング時のリバース(反転)、インバート(逆相)などの高度なサンプリング加工を可能にします。またこういったMASOSの機能はMIDI経由でパソコンに送って、さらに細かな編集もできるようになります。
 
 
 たとえばスネアの音をサンプリングしてリバース処理、そしてサンプル終わりに何かの破壊音?などを貼り付ければ、手作りのオケヒットが完成、みたいなことができそうですね。
 
 
 なおMASOSを(ディスクから)起動すると、MASOSのプログラムがシーケンサーのメモリー・エリアを使用するため、本体のシーケンサーは機能しなくなります。これはちょっと不便な仕様ですが、従来のシステム・ディスクと入れ替えてシステムをロードし直せば、元通りシーケンサーが使えるようになります(→その際はMASOSで作ったデータはディスクにセーブしておきます)
 
 
 

ISF-1について(オプション)

 本機のために用意されたインプット・サンプリング・フィルター。これは「エイリアス」と呼ばれるデジタルノイズを低減し、サンプリング周波数を33kHz→50kHzまで拡張できるというもの。このISF-1を使用することによって、よりハイファイなサウンドのサンプリングができます。定価は18,000円でした。

ENSONIQ ISF-1

ただし本オプションを使用するには、前述したMASOSが必要となります。
 
 
 

つぶやき的な

 鍵盤なしのMirage(サンプラー)ということで、当然他のMIDI鍵盤とつなげて音を鳴らすことになると思うのですが、他の鍵盤付きシンセとミックスしたりするとより面白く使えるといった感じでしょうか。外部MIDIキーボードによりパッチ・チェンジも可能だったので、積極的にライブシステムに組み込んで使ってもありだったと思います。
 
 

仕様
■ビット数:8ビット
■サンプリング周波数:33.3kHz(※オプションのISF-1使用時は50kHz)
■最大同時発音数:8
■外形寸法:443(W)×97(H)×310(D)mm
■重量:6.7kg
■発売開始年:1985~86年
■発売当時の価格:318,000円

 

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