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E-mu 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.177】E-mu Orbit/Orbit V2 ~90年代のダンスミュージック特化型音源モジュール[1996~97年]

2018/02/16

 今回ご紹介する機材は、E-muの1Uラック音源・「Orbit(オービット)」および「Orbit V2」です。発売はOrbitが1996年、Orbit V2が97年。V2は、先代Orbitの音色数などを増強させた拡張版(後継機)です。

 

E-mu Orbit

 
 

 
 なお、Orbitをより操作しやすくするためのリアルタイム・コントローラー・「Launch Pad」も(Orbitリリースの数ヶ月後に)発売されていて、そちらも併せて記事にしてみたいと思います。ちなみに【orbit】とは「軌道」の意味ですね。

 

E-mu Orbit(advertisement)
E-mu Orbit/(株)カメオインタラクティブ 雑誌広告より画像引用

 
 
 

概要

 これまでのE-muの1U音源モジュールとは趣を異にした、DJ/テクノ/ダンスミュージックに特化した音色を収録した音源モジュール。パーカッション&ドラム、ベース、LFOがかかったシンセサウンド、スペイシーなパッド、はたまたオケヒット系など、いわゆるダンス系の定番音色を一通り網羅しています。
 
 
 

仕様

 同時発音数は32音。16マルチティンバー、512パッチ(Orbit V2では640パッチ)、2LFO、2エンベロープという構成になっています。あとこの頃のE-muならではの「6Poleレゾナンス・フィルター」を搭載しています。フェイザー、フランジャー、モーフィング効果まで兼ね備えた、なかなか強力なE-mu独自のフィルター部となっていますね。
 
 
 

Beat Mode™について

 本体にプリセットされている2小節のリズム・シーケンス・パターンをループさせるという再生モードのことです。要するにプリセット音色と同様の扱いでリズム・パターンの演奏データを持っているということです(→Orbitでは60、Orbit V2では100パターン)
 
 
 のちに他メーカーの数多くの機種に搭載されたので、今となっては当たり前のような感じなのですが、当時としては珍しく、本機・Orbitの目玉とも言える機能でした。
 
 
 また後述する「Launch Pad」を使えば、さらに直感性の高い制御を行えるようになります(→Beat Mode™のスタート/ストップなどなど)
 
 
 

Orbit→Orbit V2での拡張点

 プリセットが512→640音色に増強。また内蔵リズムパターンも60→100パターンに増加しています。なお旧Orbitユーザーに対して、代理店のカメオインタラクティブさんが、有料でOrbit V2へバージョンアップするというサービスも行っていました。
 
 

 

 

Launch Pad(オプション)について

 Orbit/Orbit V2を、ライブや打ち込みの際にリアルタイム制御するための別売りコントローラーです。なおLaunch Padは実際のところ、様々なMIDI機器で使える “汎用MIDIコントローラー”と呼ばれるものであり、Orbit以外には使えないということはありません。逆に、Orbitの全てのパラメーターを制御できるというものでもありません。
 

E-mu Launch Pad

 

 とはいえ特にOrbitシリーズと接続した場合は、高い親和性を発揮してくれます。主な操作パラメーターを挙げてみましょう。

●任意のコントロール・チェンジの可変
 →パネル上の5本のスライダーに自由にアサイン可能。フィルター開閉、モジュレーション可変など。
●トランスポーズおよびピッチの可変
 →右上にあるツマミにて操作。
●外部シーケンサー(およびMMC対応レコーダー)の制御
●プリセットおよびバンクの切り替え
●Beat Mode™の操作

 
 また、パネル手前にある12個の大きめのボタンは “1オクターブ分のベロシティ・センス付きパッド”となっていて、これは要するに鍵盤のようなものです(実際は-4~+5オクターブまでの鍵域をカバー)。またこれらはテンキーとしてのボタンも兼ねているので、BPM指定などの数値入力でも使えます。
 
 
 

つぶやき的な

 これも勤務先の楽器屋に展示されていたので、当時個人的にも色々いじってみたわけです。E-muのそれまでの「アコースティック楽器のシミュレーション路線」の音源モジュールから一変、ゴリゴリのダンス向けループが入っていたので大いに戸惑った記憶があります(笑)。E-muらしからぬ派手なゴールドカラーだったし。。
 
 
 ただ、来るべき「ダンス/フロア向けブーム(向けの機材)」の先駆けとして、今思うとなかなかの先見の明の一台だったのではないかと思います。Launch Padも同時に手に入れれば、今の時代でも結構遊べるのではなかろうか?
 
 
 
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仕様Orbit/Orbit V2
 
■最大同時発音数:32音
■サウンドメモリー:8MB
■内蔵音色数:
 Orbit:512(256ROM、256RAM)
 Orbit V2:640(384ROM、256RAM)
■内蔵ドラム・ループ数:
 Orbit:60、 Orbit V2:100

■外形寸法:482(W)×44(H)×215(D)mm
■重量:3.1kg
■発売当時の価格:オープンプライス
■発売開始年:Orbit:1996年、 Orbit V2:1997年
 
 
Launch Pad

■コントローラー:
 1オクターブ・ベロシティセンシティブ・キーボードパッド
 プログラマブル・5リアルタイム・フェーダー
 ピッチ・ノブ
 6トリガー・ボタン
■接続端子:MIDI IN(マージ機能付き)/OUT、フットスイッチ、フットペダル
■外形寸法:327(W)×57(H)×200(D)mm

■重量:1.42kg
■発売当時の価格:オープンプライス
■発売開始年:1996年

 

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