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ALESIS 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.169】ALESIS SR-16 ~未だに現行? 1991年発売のリズム・マシン

2018/11/25

 

 

 今回紹介する機材は、1991年にALESIS(アレシス)から発売された「SR-16」というリズム・マシンです。発売当初の定価は59,800円でした。

 

ALESIS SR-16


 
 この機種なんですが、何と現在(2017年11月)も新品で販売されています! 1991年から実に25年以上も現行製品であり続けているのでしょうか?? 一旦生産が終了して現在のものは再販売なのかはちょっと不明ですが、最初の発売時の内容を元に記事にしてみたいと思います。
 
 
 

概要

 好評だった同社の先行モデルHRシリーズ(HR-16、HR-16B)を強化させた後継機。16ビットステレオ・サンプリングによる233の音色を内蔵したリズム・マシンであり、もちろんMIDI対応。なおパネル上の12個のパッドは8段階までベロシティ(→押す速さ)を感知します。
 
 関連記事:「ALESIS HR-16(/HR-16B) ~80年代アレシスの16bitドラムマシン
 
 
 

音色について

 スネアドラム×59、バスドラム×49、タム×52、ハイハット×19、シンバル×12、パーカッション類×42と、合計233の音色を揃えています。
 
 
 サンプル内容ですが、特にバスドラムやスネアには、ドライで録音した音から、ウェットな音(ステレオ・リバーブやアンビエンス処理を施したもの)まで様々な種類が収められていますね。音色のクオリティも、当時の国産リズム・マシンに比べて高品位という評価が多かったように思います。
 
 
 ちなみに同時代のリズム・マシンといえば、以前本ブログでも紹介した「Roland R-5」(1989年…68音色)、「Roland R-70」(1992年…210音色)あたりが、商品コンセプト/価格帯的に競合製品と言えるでしょうか。デザインもちょい近ですね。
 
 
 関連記事:
 「Roland R-8/R-5 ~ヒューマン・リズム・コンポーザー[1989~90年頃]
 「Roland R-70 ~90年代ローランドの進化形リズムマシン[1992年]
 
 
 

プリセットおよびトラック・メイキングについて

 リズム・パターンは100+100フィルイン・パターンの合計200プリセット、さらにユーザー領域でも200を備えています。なおパターンのサンプリングには、スタジオ・ドラマーが実際に叩いたものが収録されているそうですよ。
 
 
 これらの音色を自由に選択して自分だけのセットを組むことができ、本体内ユーザー・エリアのドラム・セットに保存していきます。ちなみに外部にデータ記憶をする際は、他MIDI機器へバルク・ダンプで送ったり、カセット(!)などが使われました。カセットすか!?
 
 
なお、実際にドラム・トラックを鳴らすための手順としては、

①ドラム・セットを作る(→12個のパッドに音色を振り分ける)
②パターンを作る
③パターンをつなげて「ソング」を作る

といったような感じです。「ソング」は100個までRAM領域に保存できます。

 

 

 

現行のSR-16との相違点

 外観は今も昔も(ほぼ)全く同じだと思うですが、内容としては発売当初のものと比べいくつか変更点が見られます。
 

サンプリング・ビット数:16→24ビット

 いつ頃から24ビットに変更されたのかは不明ですが、音質面から見てこれは大きな変更ポイントですよね! なぜ型番を変えなかったのかとか、色々謎です。。
 
 

出力端子構成:

 MAIN RIGHT×1、MAIN LEFT×1、AUX L×1、AUX×1
             ↓↓
 MAIN RIGHT×1、MAIN LEFT×1、AUX L/R×1、HEADPHONE
 
 
 当初はL/R独立していたAUX OUTが一つの端子に統合されました。これにより、AUXのステレオ出力にはYケーブル(分岐ケーブル)が必要となってきます。一つ減らした端子には「HEADPHONE」を割り当て、その結果、4つの出力端子という外観は変わっていませんね。
 
 
 

価格(参考までに):

 59,800円 → 12,000円~15,000円前後(税抜価格。2017年11月現在の相場)
 
 
 
 

つぶやき的な

 ペダルやスタンドなどの小物類が、モデルチェンジをせずに20年以上現行製品として販売されるというのはたまにありますが、このような電子楽器がモデルチェンジなしで20年以上も販売されているというのはちょっと考えられないですね。。しかも80年代の名残りとも言うべき「テープ・イン/アウト」端子が、2010年代後半の現在でも搭載され続けています。。本機は調べれば調べるほど謎が深まりますね。。
 
 
 ちなみにSR-16には、「SR-18」という直系の後継機が2008年にリリースされているのですが、そちらはとっくに生産終了になっています。うーむ。。
 
 
 さておき、現在のSR-16の市場価格は今の時代っぽくかなり下がっていますし、音質だって悪くないと思います。ちょっとしたプロダクションや、ドラムレスのバンドの打ち込み用として安くて軽いものを探している人にとっては「アリ」な選択かもしれないですね。
 

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仕様
■最大同時発音数:16音
■内蔵音源数:233
■プリセット・パターン:100パターン、100フィル
■ユーザー・パターン:100パターン、100フィル、100ソング
■ドラム・セット:50プリセット、50ユーザー
■外形寸法:234(W)×42(H)×169(D)mm
■重量:680g
■発売当初の価格:59,800円
■発売開始年:1991年

 

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