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Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.168】Roland TR-707/TR-727 ~TR-909の後に発売された“フルデジタル”・RhythmComposer [1984~85年]

2018/06/02

 今回紹介する機材は、かつてローランドから発売された「TR-707」および「TR-727」というプログラマブル・リズム・マシンです。TR-707は1984年、TR-727は1985年の発売。当時の定価はどちらも99,800円でした。
 
 
 同社の「Rhythm Composer」シリーズのモデルであり、TR-707はアシッド・ハウスの定番機材として今日でも人気です。またTR-727はラテン系パーカッション音色に特化した音色を揃えています。
 
 
 

TR-707の概要

Roland TR-707

 

 ドラム系音色を内蔵しており、TR-909の約10ヶ月後くらいに発売。TR-909のように音色エディットはできず、価格もおよそ半額。本体サイズも小柄になったことから「TR-909の廉価モデル」と捉えられなくもないですが、液晶によるマトリクス表示によって10種類のサウンドが一目で把握できるなど、操作性向上の工夫も見られます。
 
 
 また低価格とはいっても楽器音ごとの10個のアウトプット端子(→一部音色統合あり)を備えており、MIDI端子で幅広いシステム・アップにも対応していました。
 
 
 ちなみにTR-909ではデジ/アナのハイブリッド音源(→バスドラムなどの皮モノ系はアナログ、シンバルなどの金モノ系はPCM方式)だったのですが、TR-707ではシリーズ初となるフルデジタル音源となっています。
 
 
 

TR-727について

Roland TR-727

 

 TR-707の翌年に発売されたラテン系パーカッション音色内蔵のモデル。なおTR-707/TR-727両機のデザイン(および操作感)はほぼ同じであり、発売当初は兄弟機のような扱いでしたね。外観は色違いであるということが(唯一の)大きな特徴であり、「オレンジ色のTR-707、水色のTR-727」という感じです。
 
こちらも、楽器音ごとの10個のアウトプット端子(→一部音色統合あり)を備えています。
 

Roland TR-727(advertisement)
TR-727/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

内蔵音源について

TR-707の音源は15種類。全てPCM音源になっています。

バスドラ1/2、スネア1/2、ロータム、ミッドタム、ハイタム、ハイハット(クローズド/オープン)、シンバル(ライド/クラッシュ)、ハンドクラップ、タンバリン、リムショット、カウベル

 
 
TR-727の内蔵音源も同じく15種類です。

ボンゴ(ハイ/ロー)、ハイコンガ(ミュート/オープン)、ローコンガ、ハイティンバル、ローティンバル、アゴゴ(ハイ/ロー)、カバサ、マラカス、ホイッスル(ショート/ロング)、キハダ、スターチャイム

 
 特にMIDIによるTR-707&TR-727(ドラム&パーカッション)の同期演奏は、当時感動モノだったらしいですよ(笑)

 

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リズム作りについて

 リズムパターンの作り方は2通り(TR-707/TR-727共通)。音源を一つずつ選んでボタンを叩いて打ち込んでいく「ステップ・ライト」と、複数の音源ボタンを同時に叩きながらリアルタイムで作っていく「タップ・ライト」の方式がありました。
 
 
 リズムパターンやテンポ、モードなど、マトリクス表示の広い液晶画面に表示されるので分かりやすく行えます。ステップ・ライトで入力していくにしても、各サウンドのパターン配置が一目で確認できてよいですね。
 

Roland TR-707 matrix-display
 
 
 なお自分で作った64種類のリズムパターンを組み合わせて、最大998小節(4トラック)までのリズム・パートを演奏させることができます。別売りのメモリー・カートリッジやテープ・インターフェイスを使えば、外部にライブラリーをどんどん増やしていくことも可能でした。
 

 

つぶやき的な

 当時はシンセもドラムマシンもデジタル(PCM音源)が主流となっていて、TR-707/727もこの流れに乗った形になります。もともと両機は主にリズムのプログラミングを目的として開発されたものであり、音色エディットや出音のハイファイさなどは思い切って削られており、そのことで低価格を実現したとも言えます。
 
 
 ところが後年になると、その「ハイファイではない」ざらついた重量感のある音が、主にハウス系ミュージシャンの間で評価されるようになりました。価格も安くて操作も分かりやすかったという点もあったかと思いますが、TR-707&TR727のコンビは、初期の(アシッド)ハウスでは頻繁に使われていて、音質も当時のマシンとしては良かったのだと思います。
 
 
 なお2014年にはローランドの「AIRAシリーズ TR-8」に、TR-707/727音色が追加された拡張サウンド「7X7-TR8」が発表され話題になりました。80年代の隠れた名機とかが近年続々と復刻を果たしているのは、個人的に嬉しい感じであります。
 

 
 

仕様(TR-707/TR-727)
■音源方式:PCM
■内蔵音色:
 TR-707:15種類
 バスドラ1/2、スネア1/2、ロータム、ミッドタム、ハイタム、ハイハット(クローズド/オープン)、シンバル(ライド/クラッシュ)、ハンドクラップ、タンバリン、リムショット、カウベル
 TR-727:15種類
 ボンゴ(ハイ/ロー)、ハイコンガ(ミュート/オープン)、ローコンガ、ハイティンバル、ローティンバル、アゴゴ(ハイ/ロー)、カバサ、マラカス、ホイッスル(ショート/ロング)、キハダ、スターチャイム
 
■外形寸法:380(W)×75(H)×250(D)mm  ※TR-707/TR-727共通
■重量:1.5kg  ※TR-707/TR-727共通
■発売当初の価格:99,800円  ※TR-707/TR-727共通
■発売開始年:TR-707…1984年  TR-727…1985年

 

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