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1960~80年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.163】KORG SG-1D/SG-1 ~80年代の定番デジタル・ピアノ[1986年]

2018/11/25

 

 

 今回紹介するキーボードは、コルグが1986年に発売した本格派エレクトロニック・ピアノ「SG-1D」および「SG-1」です。
 
 2機種は同時発売であり、SG-1Dは88鍵、SG-1は76鍵仕様となっています。特にSG-1Dは80年代のピアノタッチ・キーボードとして名機の呼び声が高いですね。一応SG-1Dの方をベースに詳しく見てみましょう。

 

KORG SG-1D

KORG SG-1D

KORG SG-1

KORG SG-1


 
 

内蔵音色について

 PCM方式による、当時としては非常にリアルだった本格的ピアノ音源を搭載しています。以下の4つのプリセットを内蔵していました。

PIANO I
PIANO II
E.PIANO I
E.PIANO II

 
 今だと「たったの4音色!?」と嚙みついてしまいがちですが(笑)、当時はメモリー容量も限られていたし、中途半端にサンプリングした “使えない”音色を多数搭載しているよりも、少数精鋭の “使える”音色が揃っている方がよいという考え方もできます。
 
 
 PIANO Iはグランドピアノの音色、PIANO IIはエフェクトをかけて広がりを持たせている感じのピアノ音色ですね。E.PIANO I および II はRhodesがベースとなっているようなキャラクターと言いましょうか。。特にE.PIANO IIの方は若干高域が目立ち、きらきらした印象になっています。
 
 
 

音色メモリーカード(オプション)について

 上記のように内蔵音色は4つなのですが、別売りのROMカードを本体に挿すことにより音色を追加することができました。全5種類です。

SGC-01:ハープシコード
SGC-02:クラビ
SGC-03:ギター/ベース
SGC-04:エレクトリック・ピアノIII
SGC-05:ハープ

 

 

内蔵エフェクト方面

 3バンド(BASS、MIDDLE、TREBLE)のイコライザーを内蔵。SGのピアノ音色は低域に若干クセがありますので、好みよりある程度変えることができます。
 
 
 また内蔵のデジタル・コーラスは、DEPTHとSPEEDのスライダーにより簡単にパラメーター変更が行えます。E.PIANOの音色作りに活躍しそうですね。広がりが出ます。
 
 
 あと、これはエフェクトと言っていいのかは謎ですが、パネル上に「ブリリアンス」というスライダーが装備されています。こいつを上げるとブライトに、下げるとメロウな感じといった感じで、音色の明るさを変える際に使います。

 

 

 

タッチ方面

 標準的な重さのしっかりとしたピアノ・タッチ鍵盤となっています。YAMAHAのCP80/70に比べたら若干軽めといった(個人的)印象ですが、この辺りは好みにもよるでしょう。ちなみにリア・パネルにはダイナミクスのつまみが装備されていて、キー・タッチのレスポンスを8段階に調整可能です。
 
 
 

マスターキーボードとしての機能

 音源を鍵盤から独立させる機能により、ローカルオン/オフをパネル上でコントロール可能です。鍵域をスプリット・ポイントでLOWERとUPPERに分割し、それぞれ別のMIDIチャンネルを割り当てることもできますね。
 
 
 また、シンセにはおなじみの「ピッチベンド・ホイール」と「モジュレーション・ホイール」を装備しています。この2つのホイールは外部のMIDI機器に接続した際、データ送信用として機能します。そう、実はこの2つのホイール、SG-1D本体のサウンドにはかけられないのですまあ内蔵音色もピアノ/エレピのみだし、かける必要が無いといえば無いのですが。。
 
 
 

「SG-1」(76鍵モデル)との違い

 SG-1では、SG-1Dでは搭載されていない「キー・トランスポーズ機能」が装備されています。SG-1をマスターキーボードとして使用した際、このトランスポーズ情報も他の外部音源に送られます。
 
 なおSG-1ではMIDIのチャンネル・プレッシャー(=アフタータッチ)情報は送信されません(SG-1Dでは送信されます)。
 

KORG SG-1D/SG-1(advertisement)
SG-1D、SG-1/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 90年代、町の貸しスタジオには、常設の電子ピアノとして本機SG-1Dが置かれているなんてケースもしばしば。当時僕も何度か弾いたことがあるのですが 、芯のあるピアノ音色はバンドサウンドでも埋もれず鳴ってくれて、非常に便利に使った記憶があります。
 
 
 ただ、当時は全然気にしていなかったけどこれって同時発音数が12音なんですよね。。まあロックンロール・ピアノだったら(多分)12音でもいけるし、キース・エマーソンも愛用してたというくらいだから、やはりそのリアルで骨太なサウンドが多くのミュージシャンを魅了したのでしょう。
 
 
 
 関連記事(コルグSGシリーズ):
 「KORG New SG-1D ~SG-1Dのメモリー容量が5倍に![1987年]
 「KORG SGproX ~イコライザー付ステージ・ピアノ[1997年頃]」 →平成のSG
 「KORG SG-Rack ~デジタルピアノSG proXが1Uラックになったよ[1997年]
 

仕様
■音源:PCM方式
■鍵盤数:88鍵
■最大同時発音数:12
■内蔵音色:4種(PIANO I、PIANO II、E.PIANO I、E.PIANO II)
■外形寸法:1370(W)×123(H)×400(D)mm
■重量:33.7kg
■発売当時の価格:298,000円
■発売開始年:1986年

 

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