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Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.159】Roland SH-1000 ~1973年発売の「国産初のシンセサイザー」

2018/03/17

 今回取り上げさせて頂くシンセサイザーは、ローランドが1973年に発売した「SH-1000」です。当時の価格は165,000円。同年にKORGから発売された「ミニコルグ700」と共に、(一般向けに市販された)国産初のシンセサイザーとして名を残しています。
 

Roland SH-1000
 
 
 
 蛇足かもしれませんが、若き日の小室哲哉氏(高2)が初めて買ったシンセサイザーだそうです。
 
 
 

概要

 37鍵盤、同時発音数1のモノフォニック・アナログ・シンセサイザー。奥行をコンパクトにし、鍵盤前面部に各種タブレット・スイッチを配置しており、当時の電子オルガンの上に置いてメロディ楽器として使用することを想定して設計されています。タブレット・スイッチはこの時代らしい外観と言えますね。
 
 
 

内蔵音色について

 楽器音をシミュレーションした10種類のプリセット音色を搭載。全て挙げると、チューバ、トランペット、サキソホン、フルート、クラリネット、オーボエ、バイオリン、ベースギター、ハープシコード、ピアノとなっています。
 
 
 音色はどれもアナログ・シンセっぽい感じと言いましょうか。。なおこのプリセット音色は、パネル前面・右手前のカラー分けされたタブレット・スイッチを押して切り替えます。この手のカラー・タブレットは、当時の電子オルガンでよく見られたので馴染みやすかったのではと思います。
 
 
 

シンセサイズ部分について

 とりあえず楽器音は入っているので音は出せますが、鍵盤左横のコントローラー・セクション(および左側のタブレット・スイッチ)を使用することで、より本格的な音作りも可能です。
 
 

VCO

 1VCOであり、同時発音数も1。波形は矩形波やノコギリ波など9種類用意されており、これらは手前の9つのタブレットを押して選択します。これらはオルガンのフィート(各ドローバー)のように、複数選択することで波形を加算していくことができます。ノイズもありました。
 
 

VCA

 エンベロープはADSR(アタック/ディケイ/サステイン/リリース)タイプであり、各スライダーが独立して配されています。ただしそれらスライダーの設定が音量に反映されるのは、鍵盤手前にあるタブレット・「エンベロープ(V.C.A.)」の「A.D.S.R」を選択していないといけません。ちょっとこの辺りは慣れないといけませんね。
 
 なお「A.D.S.R」以外には「スローアタック」「スタッカート」などがあり、それらはいわゆる “プリセットのVCAエンベロープ”といった感じです。
 
 

VCF

 鍵盤手前にあるタブレット・「エンベロープ(V.C.F.)」から選択します。「グロール」はいわゆるフィルターLFO(ワウワウ効果)であり、「A.D.S.R」ではVCAの時と同様にエンベロープを調整することができます。
 
 なお「CUTOFF FREQ.」と「RESONANCE」はパネル上にスライダーが設けられており、フィルターの効きは今聴いてもいい感じですね。
 
 

その他

 本体にいわゆるピッチ・ベンドはありませんが、「GLIDE」というボタンがあって、それを押しているとピッチ・ベンドのようなピッチ変化が得られます。この場合のGLIDEはポルタメントの機能ではなく、ポルタメントはまた別途つまみが用意されているところが面白いですね。なおポルタメントはタイム調節も可能です。

 

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まとめ的な

 価格を抑え、コンパクトな筐体に機能を収め、様々な音色をすぐに使えるよう敷居を下げつつも、より本格的な音作りもできるよう設計されていますね。
 
 
 国産初のシンセサイザーということですが、MOOGのモジュラー・シンセのような大掛かり(かつ完全プロフェッショナル指向)なものではなく、いたってシンプルな一台に仕上がってるように見えます。とはいえ内部回路は(ローランド独自の)複雑な構成になっていたようで、開発において相当な苦労があったとのことですよ。よく見ると各パラメーターのスイッチ/ツマミ類の配置も、どこか統一感がないというか ちぐはぐな印象を持たなくもないです。。
 
 
 手元のタブレット・スイッチは当時のオルガンを意識しつつも、“オルガンでは出せない、ちょっと変わった電子音”も出せるということで、当時まだ新しい楽器だった「シンセサイザー」という楽器を、広く日本人に知らしめるきっかけとなった記念碑的な楽器と言えると思います。
 
 
 
 関連記事(ローランドSHシリーズ):
 「Roland SH-2000 ~30音色内蔵のプリセット・シンセサイザー[1974年]
 「Roland SH-3A ~幅広い音作りに対応した初期ローランド・シンセ[1974年]
 「Roland SH-1 ~ローランド初となる…[1978年]
 「Roland SH-32 ~卓上シンセで音作り[2002年]」  ※平成の卓上SH
 
 

追悼

 この記事を書いている2日前(2017年4月1日)ですが、ローランド株式会社の創業者である梯郁太郎氏が他界されました。氏の電子楽器における先駆者的功績に感謝の意を表すと共に、心よりお悔やみを申し上げます。
 
 

仕様
■鍵盤数:37鍵(Fスケール)
■最大同時発音数:1(1VCO)
■音色数:10プリセット(+シンセサイザー)
■構成:1VCO、1VCF(ローパスフィルター)、2LFO
■エンベロープ:ADSRタイプ×1
■外形寸法:865(W)×150(H)×260(D)mm
■重量:12kg
■発売当時の価格:165,000円(免税価格:153,000円)
■発売開始年:1973年

 

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