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テキスト




ALESIS 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.130】ALESIS QuadraSynth ~アレシス初号機・クアドラシンセ[1993年]

2018/02/16

 今回ご紹介するシンセサイザーは、アレシスの「QuadraSynth(クアドラシンセ)」です。発売は1993年、価格は198,000円でした。本機はアレシス初となるシンセサイザーですね。ちなみに本機の1Uモジュール版は「S4」という機種になります。

 

ALESIS QuadraSynth

 
 関連記事:「ALESIS S4 ~QuadraSynth(クアドラシンセ)のラック版
 
 
 最近はめっきりシンセサイザーを作らなくなった同社ですが、かつてはこのようなシンセサイザー(他にもQSシリーズなど)や、一世を風靡したadat(レコーダー)などで知られた由緒あるアメリカのメーカーなのです。
 
 
 

概要

 64音ポリフォニックのサンプルプレイバック・タイプのシンセサイザー。内蔵波形容量は16Mバイト。当時は同時発音数64ボイスの量産型シンセサイザーは珍しく、その個性的なデザインからも注目を集めました。
 
 
 よくも悪くもクセがない音色はどのジャンルの音楽でも使いやすいとも言え、比較的軽量でもあることからライブ向けマスター鍵盤としても使えたと思います。なおエフェクターは内蔵していますがシーケンサーは付いていません。ポルタメント機能は装備していました。
 

ALESIS QuadraSynth(advertisement)
ALESIS QuadraSynth/(株)モリダイラ楽器 雑誌広告より画像引用

 
 
 

見た目について

 左上に鎮座する巨大なボリューム・ダイヤル、および個性的なスイッチ形状が目を引きます。斬新なデザインに見えなくもないですが、どことなく大雑把なアメリカンな雰囲気が漂ってきます。
 
 
 そして76鍵です。デビュー作にいきなり76鍵モデルを持ってくるというのも興味深いですね。61鍵などの鍵盤数違い展開はなく、76鍵一択となっています。とはいえ当時の76鍵にしては比較的軽量だし(→約17.7kg)、本体裏側には取っ手になるくぼみがあるため、運びやすさという点では非常に配慮されていると思います。
 
 
 

コントローラー部について

 鍵盤タッチはペコペコした感じではなく、割としっかり作られていたと記憶しています。ただし気になるのは、(鍵盤左にある)ピッチ・ホイールおよびモジュレーション・ホイール。これが本体サイズの割にちょっと小さい。。しかも両ホイールが完全に隣り合っているため非常に操作しにくいです。
 
 
 この2つのホイールも使いこなしてる人にもなると、片手で2つ同時に操作するというプレイヤーもいるのですが、本機では非常に使いにくさを感じていたのではないでしょうか。なんかこんなところも実にアメリカーンという感じです。
 
 
 

音方面について

 加算と減算方式を組み合わせた独自の「QSコンポジット・シンセシス」という音源方式を搭載しているとのことですが、要するにPCM方式ですね。早い話が、PCMを音源部として持つ、サンプル・プレイバック・タイプの典型的なシンセサイザーといった感じです。
 
 
 なお演奏モードは以下の2つがあります。国産シンセでもよく見られるタイプのモード分けですね。

PROGRAMモード:単音色で演奏する時のモード
MIXモード:PROGRAM(最大16種まで)を組み合わせてスプリット/レイヤーして演奏する時のモード

 
 PROGRAMモードでは128種類、MIXモードでは100種類がプリセットとして内蔵されています。作った音色は外部ROMカード(→本体にカードスロットあり)に保存できたりもします。
 
 
 上記にて本機を「サンプル・プレイバック・シンセ」と称しましたが、もちろん一通りの波形のエディット等は行えます。なおフィルターのレゾナンスはシンセのパラメーターとしては存在しませんが、エフェクト部の「Resonator」にてほぼレゾナンス効果を得ることが可能となっています。
 
 

 

 

その他

 同社のadatマルチトラック・レコーダーへ直接デジタル転送が可能となる、デジタル・インターフェイス(オプティカル・デジタル・アウト)を装備しています。この辺りの機器間の親和性の高さはアレシス同士ならではといったところでしょう。
 
リアパネルには他にも、4系統のアウトプット端子やカードスロット(×1)を備えています。
 
 
 

「QuadraSynth Plus Piano」について

 本機リリースの2年後(1995年)に発売された、いわば “QuadraSynthの音色増強版”です。内蔵波形ROMを24Mバイトに大幅拡張し、グランドピアノ音色などが追加されています。鍵盤数は同じく76で、外観(デザイン)も変わっていません。
 
 
 

つぶやき的な

 アレシスも2000年代半ば頃までは「A6 Andromeda」「Ion」といった個性的なシンセサイザーを作っていたのですが、最近はエレドラ(電子ドラム)方面に流れていってしまったのか、シンセはとんと見かけなくなりました。本機はとりあえず「アレシス産シンセの第1号」ということだけでも記憶に留めておけば、何かの話のネタにはなるかもしれません。。
 
 
 
 関連記事:
 「ALESIS Ion ~アレシス初のバーチャル・アナログシンセ
 「ALESIS Micron ~Ion譲りの音源を搭載したコンパクト・シンセサイザー
 

仕様
■音源方式:QSコンポジット・シンセシス
■最大同時発音数:64音
■鍵盤数:76鍵
■内蔵波形ROM:16Mバイト
■重量:約17.7kg
■発売当時の価格:198,000円
■発売開始年:1993年

 

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