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1990年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.126】Roland R-8M ~1UモジュールになったR-8、でもちょっと違う[1990年]

2018/11/25

 

 

 今回紹介する機材は、1990年にローランドから発売された「R-8M」です。同社のリズム・マシン「Rシリーズ」としては、R-8、R-5に続くモデルとなります。広告では “ヒューマン・リズム革命・第三弾”と称していました。形状がそれまでのデスクトップ型から、1Uラック型になっているのが大きな変更ポイントですね。

 

Roland R-8M
 
 
 

R-8Mの概要

 R-8の音源モジュールタイプであり、R-8譲りの高品位なドラム音色を内蔵。また同時に3枚までカードを挿すことができ、R-8よりも(最大で)同時に使える音色が大幅に増加しています。
 
 またアウトプットは、ステレオ出力に加え6系統の独立出力を備えています(→R-8では8系統、R-5では4系統)
 
 
 なお、本機に内蔵されている(R-8譲りの)「フィール・パッチ機能」および「ニュアンス(パラメーター)」は、ここでは割愛させて頂きます。詳しくは本ブログ内記事「Roland R-8/R-5 ~ヒューマン・リズム・コンポーザー」をご参照ください。
 
 
 

音について

 本体に68音色を内蔵し、R-8と同様、各音色に対して細かなニュアンスを付けることが可能となっています。音色カードを3枚全て追加することにより、内蔵音色68種+カード音色最大78種=MAX146種類の音色を同時に扱うことができます。
 
ちなみに内蔵音色数は、R-8、R-5、R-8M共通して68種ですね。
 
 
 

操作ボタン等について

 R-8/R-5にあれだけ付いていたボタン類(およびスライダー、パッド)がきれいさっぱり無くなっています(笑)。R-8Mのフロントパネルに配されたボタンは以下のみです。

CURSORボタン(2個)
VALUEボタン(2個 ※1個は兼ENTERボタン)
NOTE NUMBERボタン(1個 ※兼JUMPボタン)
EDITボタン(1個 ※兼EXITボタン)

 
これにボリュームノブが加わります。操作できるものはそれだけです。ザッツシンプル! あとフロントパネルには、RAMカード用空きスロット×1、PCM CARD用空きスロット×3が用意されています。
 
 
 

R-8Mの操作モードについて

 本機は「プレイ・モード」と「エディット・モード」の2つのモードからなります。
 
 前者はその名の通り演奏向けのモードですね。後者はさらに「セットアップ・モード」「パッチ・エディット・モード」「フィール・エディット・モード」「ユーティリティ・モード」に分かれます。
 
 実際に具体的なパラメーターを変更するには、それぞれのモードからさらに深い階層に入っていきます。

 

 

 

サウンド・ライブラリー(別売)について

 前述したように本機にはPCM CARDスロットが3つ用意されており、別売りの音色ROMカード(サウンド・ライブラリー)を追加することで音色を増やすことができます。
 
 R-8発売直後の頃はあまりリリースされていなかったROMカードも、R-8M発売当時はすっかりラインナップが揃っていたという感じです。全11種類で、価格は各6,000円(税別)でした。
 
 
 

その他の機能

 R-8譲りの「フィール・パッチ機能」に加え、入力されたMIDIデータに対して、1/fのゆらぎを付けて音色を変化させるというランダム・フェーズや、ベロシティによって発音タイミングを変化させるというベロシティ・フェーズなどの機能もありました。
 

Roland R-8M(advertisement)
R-8M/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

つぶやき的な

 R-8(およびR-5)を一通り操作したことのある人はともかく、いきなり本機を手にした人はそのエディットの面倒臭さに手を焼いたことでしょう。せめてダイヤルくらい配しておいてくれてもよかったのにね。。
 
 
 なのでR-8Mは音色カードで拡張ありきのドラム音源といった感じでしょうか。実は本機のキャッチコピーも、R-8/R-5の【Human Rhythm Composer】から【TOTAL PERCUSSION SOUND MODULE】へと地味に変化しています。元々プレイバック音源としての使用が見込まれていたのかもしれません。
 
 
 そうは言っても、本機は90年代後半辺りになっても現役で使っているプロミュージシャンもいました。特に同社のシンセ・ドラム・パッド「オクタパッド(II)」とセットで使われるケースが多かったように思います。。
 
 
 
 関連記事(Roland リズムマシン Rシリーズ)
 「Roland R-8/R-5 ~ヒューマン・リズム・コンポーザー[1989~90年頃]
 「Roland R-70 ~90年代ローランドの進化形リズムマシン[1992年]
 「Roland R-8MKII ~リズムマシン「Rシリーズ」の最終形[1992年]
 

仕様
■音源:内蔵音源68種(PCM方式。サンプリング周波数44.1kHz、16bit)
■インターナル・メモリー:パッチ32、フィール・パッチ16、セットアップ1
■RAMカード・メモリー:パッチ32、フィール・パッチ16、セットアップ1
■表示画面:LCD(バックライト付き。2行×16文字)
■外形寸法:482(W)×45(H)×358(D)mm
■重量:4.5kg
■発売当初の価格:98,000円(税別)
■発売開始年:1990年

 

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