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1990年代'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.106】YAMAHA CS1x  ~グルーヴィにつまみを回せ![1996年]

2018/07/01

 今回紹介するシンセサイザーは、1996年にヤマハが発売した「CS1x」です。ヤマハのCSシリーズといえば、昔からのシンセファンにとっては、70年代末~80年代初頭に怒涛のように発売されたアナログ・シンセサイザー群が思い出されますね。
 
 それから長い時を経た平成時代に復活した「CS」なのですが、本機は完全デジタル仕様となっています。個人的思い出なども含め紹介していきたいと思います。

 

YAMAHA CS1x
 
 
 

特徴

 ダンス/テクノ系サウンドを多数満載し、リアルタイムな音色変化も簡単に楽しめるパフォーマンス・シンセサイザーといったところでしょうか。シーケンサーは内蔵していませんでしたがアルペジエーターは搭載しており、手軽にグルーヴィーなサウンドを出せる仕様となっています。
 
 
 本機の内蔵音源はXGフォーマットにも対応しており、DTM用音源と考えれば同社のMU50にほぼ相当します。パソコンと接続できる端子(To HOST端子)も標準で搭載しており、PCとの連携度は高かったと思われます。そして何より低価格だったですね!(定価69,800円・税抜)

 

YAMAHA CS1x(advertisement)
CS1x/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

音色について

 内蔵音色は480ノーマルボイス+11ドラム。さらに最大4音色をミックスしたパフォーマンスを128種内蔵しています。またMUシリーズ譲りの、高品位な3タイプ同時使用可能なエフェクトも内蔵していました。
 
 
 

リアル・タイム・コントローラーについて

 本機左上部にはリアル・タイム・コントロール用の6つのツマミが搭載されています。内訳を見てみましょう。

【上段】AMP EGセクション:「ATTACK」、「RELEASE」、「ASSIGN 1/DATA」
【下段】FILTERセクション:「CUTOFF」、「RESONANCE」、「ASSIGN 2」

 
 機能はそれぞれ見たままなのですが、もちろんパラメーターによる緻密な音作りもできます。なお「ASSIGN(アサイン)」は、アルペジエーター・テンポ、ピッチ・ベンド・レンジ、ポルタメント・タイプ、コーラス・センド、リバーブ・センドなど、合計29種類から選択可能です。ちなみにこれらのツマミですが、全て「センター・クリック」付きとなっています(→センター値が0、それより左方向はマイナス、右方向はプラス)。
 
 
 なお、本体右上部には同社の「SU10」(ハンディ・サンプラー)や「QY22」(ハンディ・シーケンサー)が乗せられる、ちょうどいい感じのスペースが確保されています。ズレ落ち防止のストッパー(突起)が用意されているのもにくいですね。

 

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DTM用バンドルセットも発売

 本機は単体発売の他、「Hello! Music! CS1x」シリーズというDTMセットの鍵盤部としてもバンドルされました。ちなみに右上部のスペースは、DTM使用時の “マウス置き場”としても多少重宝します(笑)
 

YAMAHA CS1x
 
 
 

鍵盤の作り(個人的所感)

 CS1xの鍵盤タッチの悪さは、当時のシンセ愛好家の仲間内でも意見が一致していました(笑)。言葉では形容しにくいのですが「グニャグニャ」「ペコペコ」「ヘロヘロ」などなど。。剛性が弱いためか、力を込めて指を鍵盤に落とすと “鍵盤が歪む”というか、片側に沈んでしまう感じでした。低コストの代償なのでしょうか。。
 
 
 もっとも本機は、DTM音源と考えれば鍵盤タッチはさほど重要視されなかったでしょうし、アルペジエーターやツマミを駆使した「リアルタイム・コントローラー」と捉えれば、やはり鍵盤の演奏性はさほど求められなかったかもしれません。
 
 
 なお、イニシャル・タッチは付いていましたが、アフター・タッチは非対応でした。ピアノ音色で演奏する際、なかなか音の大きさ(ベロシティ)が揃わなくて難儀した思い出があります(単に下手だっただけかもしれませんが。。)
 
 
 
 関連記事(ヤマハCSシリーズ):
 「YAMAHA CS10 ~1977年発売の低価格CSシリーズ・モデル
 「YAMAHA CS15 ~CS10の演奏性をベースにさらにグレードアップ[1978年]
 「YAMAHA CS15D ~プリセット+シンセサイザーのライブ向けキーボード[1979年]
 「YAMAHA CS70M ~アナログCSシリーズ後期のトップエンド・モデル[1981年]
 「YAMAHA CS01(/CS01II) ~ブレスコントローラー搭載! ミニ鍵盤の80年代…
 
 
 

つぶやき的な

 この頃は、アナログシンセっぽいツマミやスライダーを多数装備したシンセサイザーが各社からリリースされていました(nordlead、Roland JP-8000、KAWAI K5000Sなど)。ダンス/テクノ系サウンドも流行していたということもあり、ヤマハさんもそれに乗っかってみたのでしょう。
 
 
 実際、手軽にアルペジエーターを走らせてツマミをひねって、初心者が「なんちゃってアナログシンセ操作」を楽しむにはうってつけだったかもしれません(お手頃価格だったし)
 
 
 またカラーリングとしては、当時国産としては珍しかった「青」を採用しています。前年(1995年)に発売されたNordleadの “赤”を意識し、“青”で対抗したのかもしれません。。本体の左上部を欠いたスラント(傾斜)のボディ・デザインも、どことなくNordleadを意識しているような気がします。。
 
 
 
 関連記事(90年代中頃の各社アナログ・モデリング・シンセ)
 「CLAVIA NordLead(初代) ~赤い彗星のごとく現れたアナログモデリング・シンセ
 「Roland JP-8000 ~「衝撃」走るっ![1996年]
  

仕様
■鍵盤:61鍵(イニシャル・タッチ付き)
■最大同時発音数:32
■音源:AWM2
■パート数:16パート、1パフォーマンス+12パート

■アルペジエーター:30タイプ
■音色数:XGボイス 480ノーマル・ボイス+11ドラム・ボイス(XGフォーマット)、パフォーマンス・ボイス(プリセット128、ユーザー128)
■エフェクター:3ブロック(リバーブ×11、コーラス×11、バリエーション×43)
■外形寸法:976(W)×103(H)×285(D)mm
■重量:5.7kg
■価格:69,800円(税抜)
■発売開始年:1996年

 

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