キーボーディスト、脱初心者を目指す

ピアノ、シンセサイザー、オルガンとか鍵盤楽器もろもろ。関係ない記事もたまにあるよ

ACCESS 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.93】ACCESS Virus A ~バーチャル・アナログ・シンセサイザー「VIRUSシリーズ」の元祖[1997年]

2018/03/09

 今回はACCESSの「Virus A」というシンセサイザーを紹介してみますよ。発売は1997年で、発売当初は無印の「Virus」という名前でしたが、のちにB、Cなどがリリースされていくうちに、この初代も「A」がくっついて呼ばれるようになりました。ドイツ製ですね。

 

ACCESS VIRUS A

 
 ACCESSという会社は元々「Matrix Programmer」「MicroWave Programmer」といった、別メーカーのシンセサイザーのMIDIコントローラー(ツマミやボタンがいっぱい付いた箱)を作っていましたが、本機「Virus A」にて初めてシンセサイザーそのものを手掛けることになります。
 
 
 関連記事:「ACCESS Matrix Programmer/MicroWave Programmer ~ACCESS初の製品[1996年頃]
 
 
 

開発当時の背景

 Virusの開発が始まった当時は、ヨーロッパでテクノ・ブームが到来してアナログ・シンセが流行していた時代です。そこで本機はDSPを使ってアナログシンセやウェーブテーブル方式のデジタルシンセをシミュレートする、「バーチャル・アナログ・シンセサイザー」として発売されました。しかし単なる往年のアナログシンセのシミュレートにとどまらず、(当時の)最新技術や流行音楽なども意識して作られています。
 
 
 

音源部について

 12音ポリフォニック、16マルチ・ティンバーであり、オシレーター×2、サブオシレーター×1、ノイズ・ジェネレーター、フィルター×2、エンベロープ×2、LFO×3という構成になっています。シングル・モードではA/Bバンクにそれぞれ128個、計256のプログラムが記憶可能です。
 
 
 

音作りについて

 オシレーター1/2セクションの “SHAPE”と書かれたツマミから波形を選択します。ここには「WAVE」という文字と「ノコギリ歯状波」「矩形波」の図が書かれていますが、他のシンセによくあるような波形切り替えセレクターではなく、WAVE(プリセット波形)→ノコギリ歯状波→矩形波といったように、連続的(0~127段階)に可変します。ノコギリ歯状波→矩形波への連続可変はそれまでにありそうで無くて、実際予想外の音色変化をもたらしてくれて面白いです。
 
 
 プリセット波形にはサイン波、三角波といった定番の波形の他にも、デジタル的に合成された様々な波形が内蔵されています。実際ファクトリー・プリセットにはいかにもデジタル・シンセっぽい音色なんかも内蔵されてたりして、本機をアナログ(モデリング)シンセと捉えて操作していた人にとっては意外だったかもしれません。
 
 
 また、オシレーター同士の周期を強制的に合わせるオシレーター・シンク機能や、オシレーター1でオシレーター2の周波数を変調するFMなど、より複雑な音作りを可能にする機能も揃っています。

 

スポンサーリンク

 

 

内部OSのバージョンアップについて

 OSを更新することで機能や音色をアップグレードすることができました(→インターネットでプログラムを無料ダウンロード)。これは元々アップデートを想定した内部アーキテクチャの元本機が開発されていたためで、ユーザーにとってより高い利便性を実現してくれるものでした。
 
 
 実際、後継機のVirus bのリリース(1999年)によってVirus Aは生産終了となっているのですが、OSの改良はその後も継続されていました。結果、生産終了から1年半後までバージョンアップ(→最終バージョンは2.8)が続けられることになりました。これは今見ても非常に珍しいことですね。
 
 
 

個人的つぶやき

 今日でも続く「Virusシリーズ」の初号機ともいえるこの「A」ですが、基本的なユーザーインターフェイスは現在でも大部分が受け継がれているのではないかと思います。開発当初からの設計思想が固まっており、「Virus A」の完成度そのものも高かったことに起因するといえるでしょう。
 
 
 シンセ初心者にとってはやや敷居が高い音作りの部分も、熟練者からすれば非常に自由度の高いシステム構成と言えるかもしれません。
 
 
 

おまけ・本機における “Virus”はどう発音するの?

 日本では発売当初は「ヴィールス」と呼ばれることが多かったです(“Virus”のドイツ語読みを日本語表記したもの)。日本独自の読みで「ウイルス」なんて呼ばれることもありましたが、病的なイメージのためか(笑)あまりメジャーな呼び方ではありませんでした。
 
 なお今日では「ヴァイラス」と読むのが一般的です。これは “Virus”の英語読みを日本語表記したものです。
 
 
 
 関連記事:
 「ACCESS Virus b ~ヴァイラス、セカンドジェネレーション![2000年頃]
 「ACCESS Virus Indigo ~37鍵仕様のVirus bファミリー[2000年頃]
 

仕様
■最大同時発音数:12音
■構成:オシレーター×2、サブオシレーター×1、ノイズ・ジェネレーター×1、フィルター×2、エンベロープ×2、ステレオVCA×1、LFO×3
■シングルプログラム数:128(ROM)、256(RAM)
■マルチプログラム数:28(ROM)、100(RAM)
■外形寸法:466(W)×60(H)×180(D)mm
■重量:2.8kg
■発売当時の価格:250,000円(税抜)
■発売開始年:1997年

 

関連記事および広告

関連記事および広告


-ACCESS, 楽器・機材【Vol.〇〇】