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1970~80年代'' YAMAHA 【ショルダーキーボード】 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.78】YAMAHA "SHOLKY II" SHS-200 ~2代目「ショルキー」[1988年]

2019/06/23

 

 

 前回の記事でヤマハのショルキー(SHS-10)を紹介したので、今回はショルキーII(SHS-200)を記事にしてみたいと思います。発売はSHS-10の一年後、1988年のことです。初代ショルキーはブラック、シルバー、レッドの3色展開でしたが、本機ではホワイトのみとなっています。

 

YAMAHA "SHOLKY II" SHS-200

 
 
 ぱっと見、鍵盤数も増えてデザインも斬新になりましたね。価格も23,800→33,800円になっています。初代ショルキーと比較しつつちょっと見てみましょう。
 
 
 

仕様的な

 初代に引き続き、MIDI、ピッチベンド、ビブラートON/OFFスイッチ、サスティン・スイッチ、ポルタメントを搭載しているのはいいですね。それに加え、以下のように様々な増強がなされています。
 
 
■音色数:25→49個に増えてます。音源はFM音源(2オペレータ)で、初代と変わりないですね。音の印象は当時のヤマハのPORTATONE(ポータトーン)に近い、若干チープな質感です。今どきのリアルなPCM音源に慣れている人には「おもちゃっぽい」と感じられるかもしれません。
 
 
■スピーカー:1→2個になりました。つまりステレオです。これにより音の広がりを多少なりとも感じることができたのではないでしょうか。なおスピーカーの配置は点対称みたいになっており、デザイン的にちょっとおしゃれかも。。
 
 
■鍵盤数:32→49鍵に増えました! これにより、通常のピアノのように「左手コード伴奏」+「右手メロディ演奏」といった演奏も現実的となりました。あとあまり知られていませんがキーピッチ(鍵盤の横幅)も広くなっていますね。オクターブにつき125→136mmです。

 
■内蔵リズムパターン:25→49パターンに増えています。また6バンクのコード・シーケンサーも備えており、バックの演奏を本体に任せて、ソロで自由に遊ぶなんてこともできます。

 

 

 

増強の代償、的な

 初代に比べ音色数、鍵盤数、内蔵パターン数など順当に上がっており、いってみれば正統進化といえるでしょう。ただしその引き替えに、大きくなった筐体(突き出た手前左のスピーカー)は左手を圧迫し、左手の操作性が低下してしまいました。
 
 
 また本体の重さも倍以上の2.8kgになっています。本体の増量と共に乾電池も「単三×6本」から「単二×6本」となっており、重量増に加担することとなってしまいました。初代の軽さ(約1.1kg)や軽快な操作性に慣れ親しんだ人にとっては、残念に感じた人もいると思います。
 
 
 価格も1万円のアップとなりました。機能も鍵盤も増えているのでコストアップは妥当かもしれませんが、ライトな購買層からすれば「2万円台」と「3万円台」の差は思いのほか大きいと思います。実際、初代のようなヒットには至らず、この系統の後継機が発売されることはありませんでした。
 
 
 やっぱりバランスって大事なのかなーと思います。SHS-200自体はそんなに悪い機種ではないと思うのですけどね。。
 
 
 関連記事:「YAMAHA "SHOLKY" SHS-10 ~公式「ショルキー」![1987年]
 
 
 

【2019年3月追記】

 なんと! 本機から実に31年の歳月を経てヤマハショルキー「SHSシリーズ」が復活しました! その名も「sonogenic SHS-500」(2019/3/5より販売中)。
 
 
 スマホ向け無料アプリ「Chord Tracker」との連動による「JAM機能」を使用することで、“曲のコード進行に即した音が自動的に鍵盤に割り当てられる”という画期的な機能が備わっています。鍵盤初心者でも気軽にセッションを楽しめるという触れ込みですね。

 

こちらのSHS-500も後日改めて記事を書いてみたいと思いますよ。!
 
 

仕様(SHS-200)
■鍵盤:49鍵(ミニ鍵盤・オクターブ幅136mm)
■音源方式:FM音源(2オペレータ 49音色)
■オートリズム:49パターン、イントロ/フィルイン1/2/3、エンディング)
■コントローラー:ピッチベンド・ホイール、ビブラートON/OFFスイッチ、サスティン・スイッチ
■外形寸法:848(W)×74(H)×238(D)mm
■重量:2.8kg
■発売当時の価格:33,800円
■発売年:1988年

 

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