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2000年代~' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.32】Roland INTEGRA-7 ~ローランド・ハード音源モジュールの集大成[2012年]

2018/11/23

 

 

 さて今回ご紹介するのは、ローランドの音源モジュール・INTEGRA-7です。発売は2012年。本ブログで現行の機種を紹介するのは珍しいですね。オープン・プライスですが、2017年11月現在、新品で実売16~20万円(税抜)前後です。

 

Roland INTEGRA-7

 
 
 僕も過去ローランドの音源モジュールには非常にお世話になっていて、JV、JD、XVと性能が上がってきているのを実感してきたのですが、このINTEGRA-7というのはそれらを全てまとめた究極の一台みたいな感じですね。 実際、INTEGRAとは「統合」という意味らしいです。
 
 
 

内蔵音色数について

 最近のシンセは音色数も多く、デフォルトで1,000音色装備なんて珍しくないのですが、このINTEGRA-7に関しては実に6,000以上もの音色を実装しています。
 
 
 6,000てことは、1日100音色ずつレビューしていったとしても 丸2ヶ月かかるってことですかね。とにかく膨大です。
 
 
 でもってユーザーの立場からすると、そんなに何千も音色があったとして、“思わず頻繁に使っちゃう”音色はおおまかに100分の1程度です(あくまで個人的見解)。でもこれだけ装備されていると、単純計算で60個は使える音色がありそうです。
 

Roland INTEGRA-7

 

 

音色について

 音色の核は、同社のかつてのフラッグシップ機・XV-5080(2000年発売。発売当時:198,000円)の音源です。この音が丸ごと入っているそうです。しかもSRXボードの全タイトル12枚全てが移植されているそう。SRX製品は一枚各25,000円くらいだったから、これだけでも相当なお買い得感ですね。
 
 
 さらにローランドの最先端音源技術「SuperNATURAL」の音色も内蔵。これは同社のJUPITER-80などで採用されているのでお馴染みだとは思いますが、そのSuperNATURALの音色をブラッシュアップしたものが内蔵されています。
 
 これは何かというと、言ってみればアコースティックシミュレーターみたいなもので、楽器特有の表現が奏でられます。バイオリンやトランペットなど、打ち込みでも使えそうな音色が揃っています。
 
 
 僕も実際楽器屋で試奏してみたのですが、音は高品位だし、音色も意外と選びやすいわで、かなり魅力的な一品に感じました。好みにもよりますが、僕は同社のJVシリーズ(主に90年代の製品群)やXVシリーズ(主に2000年代)をそれなりに使い込んできたので、こういったハードウェア音源が個人的には安心だったりします。反応の速さはハードウェアならではのアドバンテージだと思います。
 
LCDディスプレイも大型化しており、非常に見やすいのも高ポイントですね。

 

 

 

音色管理ソフトについて

 いくら6,000も音色が搭載されているからって、ちまちま本体のスイッチ類で選択していくのは気が進まない人もいるかと思います。そこで本機ではMac対応の『INTEGRA-7 Librarian for Mac』というライブラリアン・ソフトが用意されています。
 
 INTEGRA-7の膨大な音色をMacの大画面で一括管理/確認できるということで、Macユーザーだったら使わない手はないでしょう。
 
 
 

Mac/iPadとの連携(エディット)について

 音色やボリューム、パン、EQなどの各種設定、SRXの読み込みなどがMacから操作できる、VSTi、AU対応プラグイン・エディター「INTEGRA-7 Editor」がスタンバイ。
 
 またiPad用エディターソフト「Integra-7 Editor for iPad」を使うことで、iPadからも本機の音色エディットが行えます。
 
 
 これらライブラリアン/エディターやドライバーは不定期でバージョン・アップが行われているので、マメにHP(INTEGRA-7のダウンロードページ)をチェックすることをお勧めします。
 

Roland INTEGRA-7(advertisement)
Roland INTEGRA-7/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

こんな人におすすめ

 ソフトシンセの安定性・操作性などに少なからず不安(不満)を抱いていて、やっぱり安定のハードシンセだろ! という人にはおすすめです。信頼性が求められるライブ使用はもちろん、16パート構成のマルチティンバー音源でもあるので、音楽制作(DTM)用の音源としても核となりうるでしょう。
 
 
 価格については、20年前だったらともかく今の時代、この価格(税込16~20万円弱・2017年末現在の相場)でハードウェア音源モジュールを出したローランドさんの気概は非常に立派だと思います。
 
 
 ローランドの音が好きで、これまでJVとかXVシリーズとかSRXボードを多く所有してきた人にとっては、システムのダウンサイジングも兼ねてINTEGRA-7に統合してしまうのもいいかもですね。
 

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仕様
■最大同時発音数:128
■パート数:16パート
■トーン:SuperNATURALアコースティック、SuperNATURALシンセ、SuperNATURALドラム・キット、PCMシンセ、PCMドラム・キット(※GM2音色含む)
■エフェクト:マルチエフェクト=16系統、67種類、パートEQ=16系統、ドラム・パート用COMP+EQ=6系統、モーショナル・サラウンド、コーラス=3種類、リバーブ=6種類、マスターEQ
■外形寸法:481(W)×89(H)×262(D)mm
■重量:3.9kg
■価格:オープンプライス
■発売開始年:2012年

 

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